『ファム・ファタール』 堂々と正面切って誰の耳にもラヴェルとの類似がわかる曲を書いたのは、いったいどなたさまとクレジットを見れば、坂本龍一。なるほどねえ。いや、構成法、スタイル、気分が似ているのであって、メロディーが似ているわけではなく、模倣ではない。為念。
『ファム・ファタール』 そのエロティックかつサスペンスフルな冒頭のケイパー・シーンの音楽が、性行為のメタファーと云われるラヴェルの「ボレロ」を思わせる、シンプルなモティーフを延々と繰り返し、緩やかなクレシェンドで「上り詰める」音楽で、ニヤニヤしてしまった。