感情とは水のようなもの 女性の感情は大海のようで 男性の感情はペットボトル1本くらい そんな持論を常々述べてきたが ようするに女のあたしは 感情が過剰だから 彼氏に吸い取ってもらうと安定する あたしの彼は浪費家でヒモ あたしは常に財政危機に晒される しかし自殺願望は無くなった
女性全般に向けて、じゃあダメなんだよ 具体的な、ひとりの実在の女性に、面と向かって、明確な根拠を添えて 『あなたは特別な女性です』 『女であることそのものが宝です』 って、灰被り女におもむろにガラスの靴を差し出す、魔法使いのミミィ婆 占星術師でよかった💕 あたしの夢が叶った瞬間
ほんのホルモン投与くらいでも 女性化を進行させると 感情の量が劇的に増える そうなると分かっていても まったく手に負えないくらいに でもさ もともと女性(純女)たちは そんな世界に生きているんだよ ここで別のクスリに逃げちゃいけない 嵐のごとく乱高下する感情と共に生きてこそ、女
この世でもっとも価値があるのは 女性の骨盤 物質じゃなくて良いなら この世でもっとも価値があるのは 『女性の感情』 ある時期まで男性でいられたのも 女なるものへの憧憬が尽きず 異性愛者のつもりでいられたから 女性になったわたしはそうして 生身の女性のナマの感情を 毎日浴びている
夢のような話 あたしは女の子で すべての過去から解放され 愛するあの人のお嫁さん 未来へと吸い寄せられるんだ 抵抗せず、過去を投げ捨て 思考の手網を握ることができていて 感情は気絶するほど豊穣で 現実はあとからついてくるから 他人の思惑はぜんぶ無視して わたしはわたしを生きる
だれか(女性)を好きになったときそれが性欲に変換されるのが心底イヤだった わたしは男性の性欲を嫌悪していた いまの彼女を好きになってゆく過程は 女性ホルモンで男性機能を破壊する過程と正確に一致、性欲に変換されない剥き出しの感情を浴びては気が狂うほど これがあたしの望みだったんだ
愛する貴女に純潔を誓うと宣言し それは異性同士でやるものでは?と 自分でも思ったけれど 男性嫌悪、男性への反感は いつのまにか臨界値まで達していて 男性の性欲と生涯に亘り縁を切ると みずから定めたことにわたしは 想像以上の快適さと安心感を憶えて。 わたしの身体は男のものではない!
性欲とは男女で大きく異なるもの 女性の性欲はかならず感情と連動している。感情の伴わない性欲はない 男性は一切の感情を切り離して、ただ性行為だけに没頭でき、ただ粛々と腰を振り続けることもできる 人相にも出るよ、 男性の性欲はどこかニヤついた顔つき 女性の性欲は思い詰めたような顔つき
大量の私物を処分しながら思い知る わたしがほんとうに欲しいもの わたしにとってもっとも価値のあるものは 『生身の女性の感情』なのだった 感情の海が並外れて大きい彼女と出会って わたし自身の許容量も大幅に増えて 駆け引きとは別種の、彼女の感情の音色を奏でる愛し方こそわたしの本性