中国からのリショアリング(製造業の国内回帰)が言われるが、世界経済の対中依存は、今後むしろ強まるだろう。こうした状況で必要なのは、自由貿易主義の原点に立ち戻ることだ。
2018年に始まった米中貿易戦争は、その後、収まる気配がない。それどころか、ますますエスカレートしている。貿易だけでなく経済全般に及び、米中経済戦争、あるいは米中対立としか言いようのない事態になってきた。
米中対立は、最初は高関税の掛け合いだった。しかし、その後、特定企業との取引禁止など、さまざまな手段が米中双方で行使されており、複雑な様相を呈している。衝突は、半導体、IT企業、AI(人工知能)などの分野を中心にして起きている。