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【つくってみた】マインドマネジメント概論

はじめに


今も昔も、組織において最も重要なリソースはヒトである。


しかし、ヒトが持つ価値の源泉は時代と共に、労働力から知識へと変わってきた。


ナレッジマネジメントは、ヒトが持つ知識、経験、ノウハウを組織全体で共有・活用することで、価値を最大化するための試みである。


では、ナレッジマネジメントが目的を達成したとき、固有の知識を抜き取られた構成員に残るものは何であろうか?


その一つがマインドである。


技術的に如何に優秀な人材であっても、マインドが伴わなければ業務遂行に必要な知識、経験、ノウハウが平準化された環境では価値を発揮できない。


従って、ポスト・ナレッジマネジメントの世界では人材のマインドを重要と捉え、管理する必要がある。



マインドマネジメントの概念


以上の背景を踏まえ、ここで『マインドマネジメント』の概念を定義したい。


簡単に調べた限りでは、単語自体は古くから存在するものの、本記事で説明する内容に合致するものは見当たらなかった。そのため、新たな概念となる可能性がある。


まず、マインド(心、精神)を管理するということだが、マインドコントロールとは方向性が異なり、あくまでも個としてのヒトが組織と志を共にし、目的達成へのベクトルを合わせることに重きを置くべきだと考える。


言うなれば、昨今よく聞かれる『パーパス経営』を実現するための鍵となる要素である。


また、『マインドフルネス』や『マインドセット』はマインドマネジメントの要素の一つになり得るが、それが全てではない。

以下に、マインドマネジメントの要求事項を説明する。


社会に向けて理念を発信する


まず取り組むべきは、組織が掲げる理念を社会に強く、継続的に発信することにより、人材の採用段階で志に共感を得ている状態とすることである。


これは従来組織でも行ってきたことであるが、ポスト・ナレッジマネジメントの世界では業務遂行に必要な知識、経験、ノウハウは全て共有されていることが前提となる。


組織とヒトが志を共有することが決定的に重要な要素となり、反対にマインドのミスマッチが組織にとって大きなマイナス要因となる。


組織内に向けて理念を発信する


次に、理念を組織内に向けて継続的に発信し続けることである。ここで重要なことは、やり方が洗脳的にならないよう十分に配慮することだ。

強過ぎるメッセージは、時に拒絶されるものである。組織とヒトが志を共にし、目的達成に向けて共に進む姿勢が求められる。


マインドを鍛える


そして、マインドマネジメントにおける最後のピースが、知識の器たるヒトの鍛錬である。


ポスト・ナレッジマネジメントの世界では、従来の技術訓練はもはや意味を成さない。

その替わりとして、人材には組織の知を最大限活用することで、継続的にイノベーションを起こすことが求められる。


汎用的な方法であったとしても、マインドを鍛えることにより、ある程度は要求に答えることができるだろう。


しかし本質的な問題として、組織の知をどのように活用すれば価値を高められるのか、その方法を見出だせるのは、その組織だけである。


従って、鍛錬の方法は組織自らが定義し、決定し、実施する必要がある。


まとめ


以上、マインドマネジメントの概念と求められる要素について簡単に説明した。


今後はこれらを実現するための方法論について、体系的に整備されることが望まれる。

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