社員番号No.0~採番ルール再考~
本記事は労務アドベントカレンダー2021の24日目の記事です。
社員番号のお話です。タイトルは社員番号としておりますが、アカウント管理も関係してくるため直雇用以外のパートナー社員(派遣社員、業務委託等)も含めた従業員番号と同義として取り扱いっています。
社員番号は何のためにつけるか
「個人を特定するため」ですね。同姓同名の方もいる世の中、氏名や生年月日以外に固有の番号を割り当てる必要があります。
データベース(情報管理)的には「ユニーク」で「キー」になること。
社員番号のつけ方については、LeaglForceさんの記事でも言及されています。
最近はSaaS連携が可能になったこともあり、自動連携するためにも社員番号を付与する必要性が高まってきています。
社員番号を付ける範囲
直雇用は人事部門で採用して派遣社員や業務委託は現業部門で採用という企業も多いと思いますが、実際には総務でセキュリティカード(社員証)の作成配布、情シスでPC手配やアカウント作成も関係してくるので、従業員番号としてすべて統一して採番するという運用を行った方が混乱が少なくなります。(退職時にどこかの部署でまとめて返却物を受領する場合もあるので社員(従業員)番号がわかるとありがたい。)
採番台帳を作る
人事管理システムで社員番号が自動採番できるかと言えばできるものは少なく、基本的に「決まったら入力してね」の仕様です。
そうすると採番というオペレーションが必要になります。
1000人規模の会社で運用していたときは人事労務以外の他部署との連携が必要だったため、Excelやスプレッドシート等で社員番号採番に係わる部署が共有して運用をしていました。
連携の順番は、
・稟議が決裁される(当時は直雇用と派遣は人事、業務委託は現場が申請)
・決裁稟議のオペレーション先頭の部署が採番台帳に社員番号の発番を行い、他部署へ連携する(稟議の処理欄でポチすると採番完了の合図)
(稟議のワークフローがまだないところは、Slackのワークフローなどを利用してリレー形式で作業ができるようにすると対応漏れが少なくなります。)
そのため、労務管理の面から見ると社員番号に欠番があるように見えますが連携してまとめて採番したほうが扱いやすいのが事実です。労務としては基本的に直雇用している社員が労務管理の対象になりますが、会社全体としてみると社員以外にも多くの方が携わっています。フリーランスや下請け社員の安全配慮義務も今後課される流れにもなってきているので、従業員全員に固有の番号を採番しておいて管理した方が全体最適につながります。
文字列にするか数値にするか
これはシステムに影響される部分があります。人事管理システムは英数字を受け入れてくれるため文字列として扱うことが比較的多くありました。ただ、ごく一部で数字しか使えないシステムがあるので、
原則)
・通し番号にする
・数字を利用する
・桁数を揃える
・0で始めない
例外)
・割り当てた数字がオーバーするときのみ16進数か36進数(0-9,A-Z)で表現するが、固有となる通し番号では利用しない
あたりかなと。例外については後述する通し番号以外の要素について割り当てが必要な場合の処理です。
桁数は何桁必要なのか
基本的にシステムで設定されている桁数におさまれば問題ありませんが、今後どのくらいの人数までを想定して使うかによって異なってきます。
人事管理システムで社員番号の変更を行う場合一括変更ができないことがシステムによってあるので最初から5~8桁くらいで作っておくのがよさそうです。
00001
00002
00003
が、「先頭に0ゼロ」を持ってくるのはおすすめしません。
csvファイルにした後にExcelで開くとゼロ「0」落ちしてしまう可能性があるからです。
jinjier人事:従業員IDなどの各種IDを変更/登録するときの注意点
このゼロ落ちについては結構悩まされて過去のアドベントカレンダーにも書きました。
SmartHR:Q. CSVファイルをExcelで開くと、社員番号の先頭の「0」が消えてしまう場合はどうすれば良いですか?
このようにヘルプがあったとしてもどうしてもひと手間増えてしまうのは悩ましいです。
数字を使うのに桁数を揃える意味
ではゼロ落ちしないように1,2,3,4,5……とそのまま数字を利用すれは良いのではと考えます。社員番号順のソートも数字であれば間違いようがありません。
人事管理システムで社員番号を文字列で扱っている場合、Excel形式でダウンロードすると社員番号が文字列になっていることがあります。そうなった場合に社員番号をソートすると、
1
10
2
20
になってしまいます。
そうなると1個ずつ数字に戻してソートし直すのも手間です。社員番号を文字列扱いでも数字の時と同じソートができるように桁数を揃えるのがよいでしょう。
通し番号以外の要素は必要か
それでは、社員番号がゼロ落ちしないように先頭をゼロ以外の数字にしようと思います。そうすると、雇用形態とか入社年とか入れちゃう?なんて思ったりしませんか?たしかに、会社の規模が大きくなってくると通し番号以外の番号がついた社員番号を見かけます。
過去にいた会社の社員番号の例「O1004001」を分解すると
O(オー)→プロパー社員、協力会社や出向者はここが別の文字になる
10→入社年2桁
04→入社月
001→入社年月の通し番号
という形式でした。
しかし、この形式だと、
・雇用形態変更が発生
・退職→再入社(再雇用)が発生
など、強制的に社員番号が変わるパターンが発生します
社員番号の再利用可否
社員番号は、ひとりの従業員が在籍する間利用する固有の番号です。
しかしながら、ひとつの会社に複数回在籍することになる再入社や一旦退職扱いとなる定年再雇用、派遣社員からの入社など、社員番号を変更するか悩む様々なパターンが出てきました。
雇用形態変更の場合にはPCの割り当てや社員証などもあるため、ひとり1番号として雇用形態変更があっても使い続けることができれば運用面では最良なんですが、一部の労務系システムではエラーになることがあります。
エンタープライズ系のソフトウェアだと入退社年月日を履歴保持していることがあるため、奉行のような形でそのまま利用可能です。
SaaS系は以下の引用のように新たに社員番号の発番をおすすめしていますが、ログインに同じメールアドレスを利用できないなど雇用形態変更前の情報をコピーするなどひと手間が発生します。
このあたりは利用するソフトウェアの運用に任せたルールにした方がよさそうです。
私はとりあえず連番振って、そのあとどうするか考えます
ある程度の人数規模になるまでは雇用形態問わずに素直に連番で社員(従業員)番号を割り当てたほうが汎用性が高くなります。そのくらいの規模感であれば社員番号ゼロ落ちの対応もそんなに大変ではないので。
社員番号の付与は利用する管理システムに依存することが大きいため、社員に限らず、業務に携わるすべての人の管理につながります。とりあえず連番で発番した後、将来的に新たな社員番号のルールを作るために業務設計を考え直す時期が来るでしょう。そのために色々なパターンでシミュレーションしてみるのも面白いかもしれません。
私はとりあえず連番振って、そのあとどうするか考えます。
なので、とにもかくにも会社に出入りする人間は、情シスや総務と協力してすべて把握して、そのあたりの入退社(入退上)の運用手順を先に決めることに注力します。
来週までお仕事の方は良い週末を、
今日で仕事納めの方は良いお年をお過ごしください。
メリークリスマス。
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