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ハスク・エディン(作画 如月芳規) 何故かブレイクしなかった残酷な物語

以下の記事で言及した通り、

昔のGファンタジーの流れがある、コミックゼロサムに結構好きだった漫画があった。今も連載してるモノだともう「ボクラノキセキ」くらいしか購読してないけど(あ、昔カーニヴァルも持ってた!)、かつては凛野ミキ先生(今名前違うけど)のヤバい漫画「光」、上田信舟先生の「DAWN」や「彩の神」、高山しのぶ先生の「あまつき」あたりを読んでたなぁ。

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「光」より。凛野先生の作品は、絵的にもそうなんだが精神的にグロさがあるんだよな。それはコメディ作品とかでも感じる。

ただのファンタジーやジュブナイルにならず、なんか暗い感じとか若干のホラーテイストなとこが好みな作品が多くて好き‼︎

最近のゼロサムあんまり知らないので探って見ようかなと思いつつ、かつてかなり凄いと思わされた作品が今日のテーマだ喰らえ‼︎

ハスク・エディン

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古代城塞都市・エルドラドの中央にある聖なる塔と、塔を守る3つの壁。それらを守るため、軍に身を置く少年少女の運命は…?
(あらすじ Amazonより引用)

キチッとしたあらすじがないのでAmazonのをコピペしたけれど、何の説明にもなってないでやがんの‼︎ なので毎度お馴染み画像に100%頼りきりな奴で行きますよーんと。

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これ1話の扉(開始3ページ目あたり)なんだけど、読んでない人に聞きたいけど主人公誰に見えます? なんて謎かけでもしゃーないんで言いますけど、1話に関して言えば左のメルカ君ですね。見たまんまそれっぽいでしょ? こっからの流れが非常に巧みなんですよ。

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たった4.5ページほどでメルカの置かれた状況が、あっさりわかってしまう。つまり、明るさが一つもない世界。とにかく淡々と、ただただ悲惨な日常を突きつけられる異世界のファンタジック戦争ドラマといった感じか。

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「大砲とスタンプ」より。これは重厚な戦争世界をコミカルに見せてるけど、これは逆というかライトファンタジーを重く見せる感じ。最後も凄いのはどちらも同じかな。

第1話の衝撃度は「ぼくらの」級

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同僚が殺した敵にも自分を重ねるメルカ。

シンプルに少年兵の成長譚と見えない事もなかったりする。非常な現実を突きつけられるメルカは、またそして戦場へ向かわねばならない。だが、彼にとって周りは恵まれている。理解のある上司であるところのニムロド・メレ大尉。

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彼の会話の端々からも、ハードな世界観を印象付けてくる。

そして綾波系女子のエリファ。

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冒頭では分かり合えないというような描写もあったが、ハードな世界で徐々に距離を縮める2人。

仲間の存在が支えになるっつーのは戦場では大切なのかも知れませんな‼︎

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「ボボボーボ・ボーボボ」より

ともあれ、この後の展開がビビるのは「ぼくらの」級と言った時点でバレてるかもなぁ。

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夜襲を受けるエルドラド軍。隊長はこう言っているが、2人はよりによって遭遇してしまう。その結果、

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エリファを守って絶命してしまうのだった……

少年少女の群像劇

第1話を印象付けるためこういう展開にしたと思われるが、メルカの死は序章にしか過ぎない。この漫画は全4巻で、恐らく打ち切りなんだけど「なんでこんなに面白れぇのに打ち切ったの⁉︎」とビックリする。全4巻でつまらなかった部分が一個もないってか、こんな事言うのもアレだが救いが無い。マジで容赦ない展開がこの後4巻分続くと考えると、ある意味地獄みたいな話ではある。最悪にはまだまだその先があるってなぁ、考えただけでも最悪なんだよ。

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「地獄楽」より。そう考えると地獄楽のがよっぽど救いがあるなぁ。

上でも言ったように鬼頭先生の「ぼくらの」レベルで最悪。

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「ぼくらの」より。この後とんでもない事になるのをまだまだ知らなかったよ、当時の俺は……


如月先生はこの後しばらく休養されていたようだが、当然これだけの才能を持っているのだからゼロサムの枠に収まらず月刊アフタヌーンにてマルキ・ド・サド(SMのSの語源て言われてる作家だよ‼︎)の「恋の罪」を漫画にした。これもまぁ最悪な話で、原作を当たってる訳ではないからなんともだけど、よくもまぁこの話を作品にしようと思ったなぁと……

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最悪なロミオとジュリエットみたいな話。

如月先生は最悪な話、もっと言えば胸糞の悪い話をGファンタジー的な絵柄で描く事により、なんとも言えないグルーヴ(唐突に音楽用語‼︎)を生み出している。これがあるようで無い、唯一無二な最悪さ加減なので絶対もっと評価されていい‼︎ ご本人のTwitterを見ている限り、新作を描いている事を匂わしているので是非この機会にみんなで「ハスク・エディン」を読んで新作を迎えようではないか‼︎

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「スナックバス江」より。大丈夫、ここまでなんか全然ネタバレの範疇にないから‼︎


全4巻なので、是非購入して頂きたい。








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