ゴールデンゴールド 8巻(作画 堀尾省太) 1巻からずっと不穏な漫画にいよいよどんでん返しの予感
言うまでもなく、「刻刻」で知られる漫画家堀尾省太先生のサスペンスホラー漫画(Wikipedia曰く)。ホラーテイストでありながらなんかすっとぼけた神が人間の欲を増幅させて、という展開にはコメディのようにも。あまり類を見ないタイプの怪奇漫画って感じかしらん。
あらすじより
以上、Wikipediaより。
一見このあらすじだけ見ると、やはりホラーに分類されるよう。まぁ確かに3巻くらいまでは、ホラーテイストな描写も多々見受けられたような気がするね。
言うならただの田舎な寧島が意味もなく急にブームになり始め、どんどん人が集まる。当然お金も周り始める、そして当然そこに一丁噛みしよう、事業を始めよう、もっと端的に金を求めようなんて感じの輩も現れるよね。その中枢が自分の婆ちゃんになってしまった主人公はどうする、って話だけども。
2巻の頃とか。ここだけ切り取ったらモンスターパニック系に見える‼︎
全体的には「フクノカミ」による、広島県の寧島(この島は架空)の狂乱を描いたっつーと大袈裟か。このフクノカミが見える2人の女性が主人公で、フクノカミに洗脳されない。
表紙に必ず出てくるコイツ、これがフクノカミ
主人公その1
フクノカミを木刀フルスイングしてみる系元不登校ツインテ中3女子、流花。家庭の問題で寧島の婆ちゃん家に住んでいて、フクノカミに願いを掛けてしまった張本人かつ被害者。
主人公その2
小説執筆の取材で寧島に来たが、一向に書けていない上にフクノカミが気になって滞在がどんどん長期化。元々ギャン中だったっぽい描写もある作家の黒蓮。本作の狂言回し。
一説によると、「瀬戸内マネースリラー」なんて呼ばれ方もしているそうな‼︎
俺がジャンルを設定するなら、「本当に怖いのは人間」作品
例えば「闇金ウシジマくん」とか、言わずもがなだけれど基本金が絡む作品てのは最終的にそうなりがちな気がしませんかね?
フクノカミに洗脳されたような感じの流花の婆ちゃん。金描写が大胆で面白い‼︎
主人公の流花に焦点を当てるのであれば、彼女が変わりゆく周囲を止められない(力が足りない)という場面では要するに「お金がない」という事になってくるのが本作の巧妙な点だったと言うのを、8巻を読んで思った次第‼︎
親との対話で心が折れたシーン。今読むと、納得させられる事になる訳よ‼︎
実際8巻までは、フクノカミより割に人間怖い的な展開だった訳。それが何故かというのは作中で説明があるからある程度は読んで頂きたいけども、
江戸時代にあった人の欲望は、そ 現代に於いては普通というより当たり前。つまり欲望のレベルがフクノカミの想定より上にあるため、フクノカミの想定外のことが起きまくる状態。
人の欲望は果てしないという、結局1番怖いのは人間だった系サスペンスって気がしますな。
徹底的に不穏な空気だったが……
そんな所から、8巻の終盤では結構思い切った展開になった。この展開は中々に大した決断というかナルトの27巻のようなと言ったらアレかもしれんが、そういう感じにコトが進むとは何とも予想外な展開‼︎
「真説ボボボーボ・ボーボボ」より。俺はネタバレが絶対にできない物の表現が上手くできてない気がして仕方ない……
とは言え前段にあるように、物凄く丁寧に伏線は張られていたのでこの展開は然るべきに来ているようである。堀尾先生はコマ割りが丁寧でもあるけど、話の組み立てもめちゃくちゃ丁寧だよなぁ……感服しますわ。
「スピリットサークル」より
前作「刻刻」が8巻でビシッと決まったように、この漫画もボンヤリそのくらいで終わるのかと思ってたがまだまだ先があるような展開。こりゃ楽しみ‼︎ とか言ってるけどサクッと終わっても不思議でもないよなぁ。
「ポプテピピック」より。新刊発売記念‼︎
こうして、また次に単行本が出るのは1年後かしら……まぁだいたい10ヶ月くらいで刊行されるのでギリギリ今年読めるかも。楽しみでしょうがねぇや‼︎
「スナックバス江」より。極端な話、これくらいパンチの効いてる漫画‼︎
オマケ
堀尾先生の魅力が溢れてるのは、実はチンピラの描写が素晴らしいことじゃねぇかなと刻刻の時からうっすら思ってた。Twitterなんか見てても、意外とそこ褒めてる人多いからあながち間違いでも無さそう‼︎
服装といい、何というかチンピラ感がスゲェいいよね‼︎ そして作品の中でヒデェ目に遭うのもまたね。
そんな魅力に満ち溢れているゴールデンゴールド、今読んでない方が最初から読めるのが羨ましいくらいバキバキに仕上がってるのでオススメしますよ。今8巻だと程よく溜飲が下がるとこだしね‼︎
「美味しんぼ」より。山岡も踊り出す面白さ!
以上、注釈のない画像はすべて「ゴールデンゴールド」より
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