紛争でしたら八田まで(作画 田素弘) 講談社でモーニングだが、勇午の系譜にある気がするよ‼︎
以前に90年代〜2000年代初頭のアフタヌーンに多大な影響を受けたなんて話を地雷震の回に軽くしたような気がするが、
余談ですが、敬愛する水上悟志先生もインタビューでその年代のアフタヌーンに影響を受けていると仰っておられましたな‼︎
実際雑誌を購入してたわけではないけれど、まぁ錚々たる連載陣なワケよ。
ネットで拾った2000年3月号。なるたるが表紙な上にヨコハマ買い出し紀行、犬神、神戸在住、ディスコミュ、カールビンソン‼︎ てかなんだよ「バナナチ○コ」て‼︎
わからん人にはまるで伝わらんだろうが、SFハードボイルドラブコメギャグホラージュブナイル現代過去未来みたいな、あらゆるジャンルのごった煮感が凄まじかった。漫画雑誌なんかある程度どこもそうじゃない? なんて感じもあるけど、あの当時のアフタヌーンの、強く言うならとんでもない「オタク」の空気は何かが凄かったんですわ。
「ファイアパンチ」より。これとか、今のジャンプ+の人気漫画辺りが、昔のアフタヌーンっぽい気もするんだよな。あのごった煮感が。
そんな中、俺が影響を受けたのが「無限の住人」「EDEN」「なるたる」と言うことは以前に言及した通り。そして、なんといっても「勇午」なんですよ。
ちょっとだけ漫画「勇午」の話をさせてくれ
交渉人、別府勇午のハードな日常を描く傑作‼︎
文字通り「世界」を見せてくれた(まぁ当然漫画なのでフィクションではあるが)作品で、世界には様々な拷問があるんだなぁ……うかつに世界に出てはヤバいなぁ……などと非常にウチに籠りがちになったのを促進された作品(いちいち大げさな表現‼︎)。
「勇午」2巻より。世界中の様々な拷問を受ける。
キツめなMASTERキートンとでも言うべきか、勇午には漫画ながらに世界を知る1歩目の興味を与えてもらった。まぁそんなに勉強してる訳じゃないが、漫画の表現で「こんな世界の描き方があるんだ‼︎」という凄さを知った。この漫画を読んで「漫画ってスゲェ‼︎」と思わせてくれた作品である(似たような感覚で、いわしげ孝先生の「ジパング少年」も良かったなぁ)。
と言うわけで、今日の漫画は勝手に勇午の系譜だと思ってるコレ‼︎
紛争でしたら八田まで
紛争というキナくさいワードがタイトルに入っているが、読み味はとても良い。交渉人というか第1話では解決屋と言っているが、
内容としては交渉人て感じがする。とは言え勇午みたいに拷問も受けず、何より女主人の八田がフィジカルも強いのでどちらかというMASTERキートンっぽい感じ(と思ったら作者の田先生インタビューでは漫画はあまり読まず、MASTERキートンくらいしか知らないとの事‼︎)。
田先生はプロレスにも造詣が深いらしく、アクション描写は割とプロレス技多めらしい。
世界を股にかけ、交渉やら厄介ごとの解決を行う八田の武器はフィジカル、度胸、
そしてチセイ‼︎
ほぼ決め台詞となる「八田のチセイ」には、読み進めるとなるほどぉ‼︎ってなるのでそこは是非読んでいただきたいところ。
そしてこの漫画の特徴は一見ハードな話ながら、土地土地の食を八田がモリモリ食うシーンがとても良い‼︎
そういえば第1話の冒頭からして食だった。
いきなりゲテモノもモリモリ行ってやがったり
フツーに美味そうなものも‼︎
酒の描写もあるよ‼︎
外国の話と言えば気になるのは食と酒、というのを割とわかってらっしゃる。この辺がこの漫画の俺の評価ポイントだな‼︎(食に興味津々なモンで‼︎)
「ラーメン発見伝」より。芹沢さんもこう仰っておられます‼︎
これモーニングで連載してんのね
どうやらこの作品は週刊モーニングで連載しているとの事。冒頭の話に少し戻るけど、当時俺が影響を受けたアフタヌーンの漫画家さん達は結構イブニングで連載してたりしたのね。勇午に至っては新シリーズをイブニングで始めたりしてたワケよ。
そんな勇午も2015年で終わってしまったなぁ。
なのでアフタヌーンの年齢層高めな人が好みそうな作家さん達をイブニングに移籍させて、イブニングをモーニングとアフタヌーンの中間層を取り入れようとしてたのかななんて10年ちょい前思ってたんだよね。しかしいつの間にか、モーニングもエラい幅広い雑誌になってきててビックリしたわ‼︎
OH!MYコンブミドルも連載してるしな‼︎
よく考えればジャイアントキリングとか宇宙兄弟とかが連載されたころから、結構イメージが変わって来てた気もするなぁ。まぁイブニングに至ってはさらにアフタヌーンに寄ってる気もするし、俺にとっては良いことだ‼︎
「美味しんぼ」より。富井副部長もこの顔だ‼︎ ムカつくぜ‼︎
というわけで「紛争でしたら八田まで」、現在1巻がAmazonで無料なので是非読んでみてね‼︎(2021年1月20日現在)
注釈のない画像はすべて「紛争でしたら八田まで」より