ニューヨークスケッチ1。ニューススタンドに、新聞と雑誌は消えた。
上の写真は、めずらしい。新聞を置いているニューススタンドを探すのは
きわめてむずかしくなった。ニューヨークタイムズの日曜版をじっくりベッドで読む楽しみは奪われてしまった。
なにしろ二十一年振りのNYなので、驚くことばかりだ。ニューヨーカーも歩くのが遅くなったなというのが第一印象で、人を押しのけてまで生き急ぐエネルギーは、明らかに衰退している。その意味で世界に冠たるアメリカ合衆国も、厳しい下り坂を降りつつあるのだろう。
また、五番街やブロードウェイのような目抜き通りの一階に、空き店舗が目立つ。
レストランだったろうなと思える物件も多く、コロナウィルスの脅威が、NYを蝕んでいったのだとわかった。もちろん、街を歩く人々のほとんどはマスクをしていない。けれど、レストランに客が戻ってきたかというと、そうでもないらしい。インフレ下の物価高騰、チップ高もあって、テイクアウトとデリバリーが全盛なのは、東京以上だろうと思う。
私には、NYのレストラン事情を語るだけの資格がない。なぜなら、円安によって、とてもまともなレストランに行くのは、むずかしくなってしまったからだ。数少ない経験からすると、予約は取りやすくなっている。けれどチップは無法と思えるほど高くなっている。
このような価格で、選ばれたレストランに行けるのは、かなり、というか相当に余裕のある方だけだろうと思う。
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長谷部浩のノート お芝居と劇評とその周辺
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。