「ミネムラさん」の差し出す謎と答え
笠木泉、細川洋平、山崎元晴。今、とても気になる三人の劇作家が、俳優峯村リエのために書き下ろした『ミネムラさん』を面白くみた。
配布された紙に客席で目を走らせた。細川洋平が書いた「フメイの家」の配役表には、峯村リエの名前がないではないか。三人の劇作家によるオマージュ、そしてオムニバスを予想していたのだが、見事に肩透かしをくった。いや、期待はさらに高まった。
後日、劇評を書く予定だけれども、こうした趣向のおもしろさ以上に、一本の芝居として、いかに物語っているかを面白くみた。それは、差し出された謎がいかに秀逸かではなく、その謎の解、答えがいかに、私たちに、希望を手渡してくれるかにあるように思われた。必見の舞台だと思う。
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長谷部浩のノート お芝居と劇評とその周辺
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年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。