七世梅幸の面影。隔世遺伝と言うこと。
本の賞味期限
久しぶりに実家に帰った。
ほとんどの書籍は、自宅や研究室に移してしまったから、たいした本はない。
日本文化年表や近代史年表などが見捨てられたようにしてあったので、手に取ってみた。いずれも古い本なので、2020年の今からみると、中途半端な時代で終わっている。年表にも賞味期限があるようだ。
そのなかでドノソやパヴェーゼに一巻を与えた世界文学選集は、今でも読みたいと思う。さて何を持ち帰ろうかと物色たところ、桑野恒郎撮影の『七世梅幸舞台写真集 梅暦』が目についた。
全ページモノクローム。ケレン味のない実直な写真集である。
七代目梅幸の記録
七世梅幸といっても、生前の舞台を観た人は、少なくなってしまっている。六代目菊五郎の長男。現七代目菊五郎の父、五代目菊五郎の祖父、五代目丑之助の曾祖父にあたる。女形の名優である。
『摂州合邦辻』の玉手御前は、菊之助と瓜二つで驚く。また、『春興鏡獅子』の後ジテ、獅子の精もまた、菊之助に似ている。
女形の大役を勤める度に、梅幸の映像記録や写真を参考にしていうこともあるのだろう。
年々、演劇を観るのが楽しくなってきました。20代から30代のときの感触が戻ってきたようが気がします。これからは、小劇場からミュージカル、歌舞伎まで、ジャンルにこだわらず、よい舞台を紹介していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。