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ストレートプレイもミュージカルも、演出家を外国から招聘して、稽古場をゆだねる傾向が続いています。私にも、シアタープロジェクト東京の芸術監督を務めたデヴィッド・ルヴォーの演出論『傷…
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【劇評276】ホーヴェ演出、イザベル・ユペール主演の『ガラスの動物園』の舞台を読み解く。国境を問わず、多くの人々が圧殺されている閉塞感。六枚半。
『ガラスの動物園』の常識を打ち破る舞台だった。 コロナウィルスの脅威のために、二〇二〇年、二〇二一年と延期になってきたテネシー・ウィリアムズ作 イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出の舞台を、新国立劇場の中劇場で観ることができた。 冒頭、エプロンステージにいるトム(アントワーヌ・レナール)は、最前列の観客の手を借りて、スカーフを使ったマジックを見せる。のちに重要な鍵となるマルヴォーリオの棺桶を使った魔術を先取りした演出である。 ここで私は、スカーフが私たちの思い出のように思
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