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外国人演出家の仕事

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ストレートプレイもミュージカルも、演出家を外国から招聘して、稽古場をゆだねる傾向が続いています。私にも、シアタープロジェクト東京の芸術監督を務めたデヴィッド・ルヴォーの演出論『傷…
通して読むと、演出の仕事について、外国と日本では、だいぶ考えが違うとわかります。転じて、日本の舞台…
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記事一覧

多文化を受け取ることの難しさ。ピナ・バウシュ『春の祭典』の現在

 ピナの振付を新しいプロダクションで再生させた『春の祭典』を見た。ヴッパタールによって初…

長谷部浩
5か月前
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黒い肌のダンサーによって上演されたピナ・バウシュ振付『春の祭典』が、呼びさました…

  ピナのいない日常  二○○九年六月、ドイツを代表する振付家ピナ・バウシュがこの世を去…

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長谷部浩
5か月前
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キャリル・チャーチルの今。混乱を怖れぬ覚悟。

 キャリル・チャーチルの二作、ダブルビルを見た。「A NUMBER 数」と「WHAT IF IF ONLY …

長谷部浩
5か月前
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ロンドン演劇雑感、その7。ホーヴェ演出の『オープニングナイト』が、予定より二ヶ月…

書くべきかどうか、ためらっているうちに、十日余りが過ぎてしまった。  四月十四日付のBBC…

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長谷部浩
10か月前
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【劇評333】普遍的な物語に、歪みを与える。『母 La Mère』の魔術的な時空。

 人類には、時代を超えて繰り返される物語がある。  母親の息子に対する恋着、子供の成長に…

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長谷部浩
10か月前
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ロンドン演劇雑感、その6。ホーヴェ演出の『オープニングナイト』。リアルタイムのカ…

 ロンドンに行ったもっとも大きな理由は、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出の『オープニングナイ…

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長谷部浩
10か月前
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ロンドン観劇雑感、その1。マイクを使った演出に、あなたは抵抗がありますか?

 ロンドンでは四本の芝居を観た。そのうち二本『キャバレー』と『オープニング・ナイト』はミュージカルなので、マイクをつかうのは特別なことではない。けれど、ヤエル・ファーバー演出の『リア王』、トーマス・オスターマイヤー演出の『民衆の敵』の両方で、マイクを使っていたのには驚いた。  もちろん、俳優の声量をおぎなうためではない。『リア王』では、三人の娘がリアへの愛情をアピールする場面で、演説会のように、スタンドマイクが林立していた。『民衆の敵』では、冒頭の場面、ホームパーティで登場

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【劇評163】森田剛。自らの欲望のために悪魔に魂を売り渡してしまった男フォーチュン…

 だれにでも好みはある。  傾きのある翻訳劇に惹かれてしまうのは、かねてから気がついてい…

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長谷部浩
5年前
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【劇評208】坂本昌行と安蘭けいによる緻密な台詞劇『オスロ』

 オスロ合意と聞いて、すぐに中東問題の画期的な事件と思う人も少ないだろう。  一九九三年…

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長谷部浩
4年前
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長谷部浩
4年前
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【劇評257】斬新な演出で幻影を見る。『セールスマンの死』

 アーサー・ミラーの『セールスマンの死』は、憂鬱な戯曲だ。家族のために懸命に働いてきたウ…

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長谷部浩
2年前
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長谷部浩
2年前
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【劇評275】トム・ストッパードの新作『レオポルトシュタット』。ニューヨークのプレ…

 九月の十四日に、ニューヨークのロングエーカー劇場でプレビュー公演の幕をあけた『レオポル…

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長谷部浩
2年前
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【劇評276】ホーヴェ演出、イザベル・ユペール主演の『ガラスの動物園』の舞台を読み解く。国境を問わず、多くの人々が圧殺されている閉塞感。六枚半。

 『ガラスの動物園』の常識を打ち破る舞台だった。  コロナウィルスの脅威のために、二〇二〇年、二〇二一年と延期になってきたテネシー・ウィリアムズ作 イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出の舞台を、新国立劇場の中劇場で観ることができた。  冒頭、エプロンステージにいるトム(アントワーヌ・レナール)は、最前列の観客の手を借りて、スカーフを使ったマジックを見せる。のちに重要な鍵となるマルヴォーリオの棺桶を使った魔術を先取りした演出である。  ここで私は、スカーフが私たちの思い出のように思

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