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天才と名人の息子たち。勘九郎、七之助、巳之助のいま。

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十八代目中村勘三郎、十代目坂東三津五郎とは、筆者と同世代でもあり、彼らの舞台を熱心に観てきました。歌舞伎の伝承の基本には、家の藝があります。勘九郎、七之助の中村屋、巳之助の大和屋…
更新は不定期です。勘九郎、七之助、巳之助の舞台の劇評を中心に、映像などの周辺の仕事を書いていきます。
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#歌舞伎座

【劇評339】初代萬壽の一門の隆盛を願う気持ちが伝わってくる『山姥』

 時蔵が萬壽となり、名跡を梅枝に譲ると聞いて、ある種の感慨に捉えられた。  子供時分はい…

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長谷部浩
5か月前
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【劇評329】勘九郎、長三郎の『連獅子』。名人、藤舎名生、裂帛の笛に支えられ、難曲…

 勘三郎のDNAが確実に、勘太郎、長三郎の世代にまで受け継がれている。そう確かに思わせたの…

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長谷部浩
9か月前
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【劇評317】歌舞伎座で歌舞伎らしい歌舞伎を観た。仁左衛門が融通無碍の境地に遊ぶ『…

   十一月歌舞伎座、夜の部は、久し振りに歌舞伎を観たと実感できる狂言立てだった。世代を…

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長谷部浩
1年前
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【劇評301】歌舞伎役者の一員として責任を果たす。初代尾上眞秀の初舞台。

 上演年表を眺めて飽きることがない。  もっとも手軽なのは、歌舞伎座の筋書で、戦後ではあ…

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長谷部浩
1年前
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【劇評258】右近、巳之助の『弁天娘女男白浪』は、歌舞伎の未来を予告する。

 歌舞伎座で『京鹿子娘道成寺』を踊るのは、女方舞踊の頂点に立つひとりと認められるに等しい…

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長谷部浩
2年前
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【劇評248】芯に立つ役者の力量。菊之助の『鼠小僧次郎吉』

 鼠小僧すなわち義賊との思い込みがあるが、黙阿弥の『鼠小紋東君新形   鼠小僧次郎吉』は…

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長谷部浩
2年前
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【劇評247】勘九郎、愛嬌に溺れぬ『一條大蔵譚』。

 勘三郎家にとって大切な『一條大蔵譚』。勘九郎は、父十八代目、祖父十七代目を受け継ぎつつも、自分なりの境地を開きつつある。  まずは「檜垣」。獅童の鬼次郎、七之助のお京が、檜垣茶屋で源氏の未来を憂えている。大蔵卿に使える計略を練るために、お京が女スパイのようになりがちだが、あくまで忠義本意に描く。舞が本格なので、筋目の通った人間であると説得力を持つ。  勘九郎の大蔵卿は、床几を傾けて、阿呆ぶりを強調するところも、あざとい笑いを避ける。品のよい育ちを守っている。お京をからか

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【劇評245】菊之助、勘九郎。哀惜こもる『ぢいさんばあさん』。

 目を瞠らせるスペクタクルばかりが歌舞伎ではない。  台詞を大切にした世話物が観たいと思…

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長谷部浩
3年前
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【劇評237】勘三郎が演じていない役を、勘三郎のように演じてみせる勘九郎。七世芝翫…

 懐かしい演目が歌舞伎座にあがった。  北條秀司の『お江戸みやげ』は、十七代目勘三郎のお…

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長谷部浩
3年前
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【劇評235】七之助、真に迫る豊志賀の恨み。勘九郎の洒脱な狸の踊り。

 七之助が恨みの深さを存分に見せる。  『真景累ケ淵 豊志賀の死』は、明治を代表する落語…

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長谷部浩
3年前
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【劇評234】巳之助代役の『加賀見山再岩藤』。上上吉の出来映え。

 代役は、役者が大きくなるための好機である。  猿之助の休演を受けて、巳之助が八月花形歌…

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長谷部浩
3年前
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五月大歌舞伎、「團菊祭」ではないが、菊之助の『春興鏡獅子』も華やかに、見どころの…

 歌舞伎座から五月大歌舞伎の案内が届く。長年、「團菊祭」が行われていた月だけれど、今年は…

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長谷部浩
3年前
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【劇評210】勘九郎、七之助による追善となった『猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつや…

 歌舞伎には、寺社が設立された経緯を構造として組み込まれている演目がある。『摂州合邦辻』…

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長谷部浩
3年前
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三津五郎の墓参りに行って、ぼんやり考えたこと。

 入試の季節は、受験生の必死な思いとぶつかりあうことになる。  もっとも、二○一五年の二月二十一日からは、この慌ただしい日々に、新たな感慨が加わった。この日、十代目坂東三津五郎が、五十九歳の若さで亡くなった。このときの衝撃は、私にとって大きな意味を持つ。  先立つ三年前、三津五郎は盟友だった十八代目中村勘三郎を一二年十二月五日に亡くしている。このときの嘆きは、築地本願寺の本葬で、三津五郎が読んだ弔辞に凝縮されている。私としては、親しくしていたふたりが、こんなに早くあの世に行

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