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天才と名人の息子たち。勘九郎、七之助、巳之助のいま。

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十八代目中村勘三郎、十代目坂東三津五郎とは、筆者と同世代でもあり、彼らの舞台を熱心に観てきました。歌舞伎の伝承の基本には、家の藝があります。勘九郎、七之助の中村屋、巳之助の大和屋…
更新は不定期です。勘九郎、七之助、巳之助の舞台の劇評を中心に、映像などの周辺の仕事を書いていきます。
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#中村勘三郎

「三田文學」秋季号に、勘九郎の『髪結新三』の悪、その色気について書きました

 「團菊爺から勘三津爺へ」と題して、雑誌「三田文學」に時評を書きました。ご想像の通り、早…

長谷部浩
1か月前
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鶴松がお光を勤める『野崎村』。勘三郎の思い出。

 猿若祭二月大歌舞伎。もう十三回忌となるのか。墓参りは欠かさないようにしているが、今も、…

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長谷部浩
1年前
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【劇評278】熱狂の平成中村座。勘九郎、七之助が若手花形を引き立てる。進境著しい獅…

 歌舞伎に、沈黙は似合わない。  客席にある種の熱狂があってこその歌舞伎であって、コロナ…

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長谷部浩
2年前
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十八代目中村勘三郎のアナザーストリーズが、NHKBSプレミアムで放映されます。

「そのとき歌舞伎は世界を席巻した十八代目中村勘三郎の挑戦」が、12月7日午後九時からNHK BS …

長谷部浩
3年前
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【劇評210】勘九郎、七之助による追善となった『猿若江戸の初櫓(さるわかえどのはつや…

 歌舞伎には、寺社が設立された経緯を構造として組み込まれている演目がある。『摂州合邦辻』…

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長谷部浩
3年前
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三津五郎の墓参りに行って、ぼんやり考えたこと。

 入試の季節は、受験生の必死な思いとぶつかりあうことになる。  もっとも、二○一五年の二…

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長谷部浩
3年前
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【劇評207】十八代目勘三郎が勘九郎に乗り移った『連獅子』。十七代目勘三郎三十三回忌追善に見る藝の伝承。

 一見、関係ない話から始める。  二○○七年の三月、パリオペラ座で市川團十郎、市川海老蔵の歌舞伎公演があった。ふっとしたことで、パリの情報誌の案内を見たら「ICHIKAWA FAMILY DANCE COMPANY」と書かれていた。この公演は、市川團十郎家とその一門に、市川亀治郎(現・猿之助)が加わっている。初代段四郎は、初代團十郎家の門弟だったから、「FAMILY」と聞いて感じた違和感のほうが、歴史的にはおかしいのかもしれない。  なぜ、こんな話を思い出したかというと、二

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勘三郎のあしあと。野田秀樹「足跡姫」に寄せたエッセイを再録します。

 野田秀樹作・演出『足跡姫』(02017年1月。東京芸術劇場)のパンフレットに掲載された私の稽古…

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長谷部浩
3年前
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勘九郎と七之助、五代目菊五郎ゆずりの覚悟。勘太郎、長三郎の巡業出演について。

中村屋の錦繍公演は、私たちの世代にとっておなじみだ。コロナウィールスの脅威によって、昨年…

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長谷部浩
3年前
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【劇評196】七之助、中車、猿弥が、歌舞伎の境界に遊ぶ。それにしても七之助は、勘三…

 ご趣向の芝居である。  十二月大歌舞伎第二部は、七之助、中車、猿弥による新作歌舞伎『心…

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長谷部浩
4年前
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雨交じりの午後、勘三郎の命日に、勘九郎と七之助の活躍を墓前に報告した。

 歌舞伎座の第一部、第二部を見終えて、入谷の西徳寺へ回る。  雨交じりだったのが、ようや…

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長谷部浩
4年前
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