【劇評207】十八代目勘三郎が勘九郎に乗り移った『連獅子』。十七代目勘三郎三十三回忌追善に見る藝の伝承。
一見、関係ない話から始める。
二○○七年の三月、パリオペラ座で市川團十郎、市川海老蔵の歌舞伎公演があった。ふっとしたことで、パリの情報誌の案内を見たら「ICHIKAWA FAMILY DANCE COMPANY」と書かれていた。この公演は、市川團十郎家とその一門に、市川亀治郎(現・猿之助)が加わっている。初代段四郎は、初代團十郎家の門弟だったから、「FAMILY」と聞いて感じた違和感のほうが、歴史的にはおかしいのかもしれない。
なぜ、こんな話を思い出したかというと、二