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発達理論は人生の道筋を示してくれる!

発達理論は子育てに悩んでいる方だけでなく、大人の問題を考えるときのヒントにもなります。

子どもの発達課題は、大人の問題を考えるヒントになります。

また、大人の発達過程で苦しみを抱えている人もたくさんいます。

発達段階のどの時期に問題を抱えているのかを知ることはカウンセリングでも大いに役立ちます。


発達理論とは?

人間はライフサイクルの中でさまざまな心の変化が訪れます。

各発達段階で直面する、発達課題や心理社会的危機をクリアすることで成長していきます。

発達理論では、乳幼児期〜老年期まで全年齢層を対象として網羅されています。

子育てやカウンセリングなど人と接する時に悩んでしまうことがありますが、発達理論を学ぶことで判断の軸になります。

子どもの発達課題

子どもの発達課題は、大人の問題を考えるヒントになります。

発達課題をクリアできていないと問題行動として表れてきます。

各段階の発達課題を学習していきましょう。

乳幼児期・幼児期の特徴

乳幼児・幼児期の発達課題で重要なことは以下の3つです。

①好奇心の制限
子供に道徳的な心を育てることです。

子どもは成長していくと行動範囲が広がります。

同時に探究心がどんどん深まり、

「なぜ?」 「どうして?」

という質問を頻繁にするようになります。

純粋な探究心・好奇心は、時として道徳的な規範を犯すこともあります。

このような場面に遭遇した場合、親は規範を逸脱しない範囲で子どもの好奇心を伸ばせるようにします。

「やって良いこと・やってはいけないこと」の区別(良心)がつくように関わっていきます。


②仲間との遊び

子どもは遊びを通して様々な生活能力を習得していくため、仲間との遊びが大切な学習機会になります。

子どもは、おままごとなどで様々な役割を演じることを通して、意識が次第に社会へと広がっていきます。

相手の立場になることで自己中心性からの脱却を図り、社会集団に適応する力を身につけるのに非常に重要な他者との関わりになります。

③愛着関係の形成

親との安定した愛着関係を形成することです。

乳幼児期・幼児期に子どもが母親から離れて安心して遊べるようになったり純粋で自由な質問ができるようにするためには、親との愛着関係が形成していることが重要です。

精神分析学者のエリク・エリクソンは、この時期に「基本的信頼感」習得することが重要と言っています。

信頼感を育てるためには、親が子どもの質問に耳を傾けて、心の通ったコミュニケーションが必要になります。


児童・学童期の特徴

児童・学童期は「劣等感との戦い」が重要な発達課題です。

この時期は、学校という少し大きな社会で友人関係を築きながら課題に取り組む時期です。

この時期における子どもの問題行動の背景には、子どもが努力して課題に取り組んだ結果に対する親の関わりが、何らかの影響を与えています。

子どもの成績ばかりに注目し、評価してしまうと、子どもの発達に悪影響を及ぼすことがあります。

大人は、子どもの自己確立に大きな影響を与える時期に、劣等感を抱かせないように、言動には十分に配慮しなければなりません。


青少年期の特徴

青年期の発達課題は「自分を孤立した一人の人間として認識すること(同一性の確立)」です。

青少年期は、

「自分はどんな人生を歩めばいいのか?」

「自分には何ができるのか?」

といった深い疑問を抱え、試行錯誤しながら答えをみつけていかなければなりません。

精神的に非常に不安定な時期なので、周りの環境に振り回され、感情の起伏も激しくなりがちです。

親に反抗して孤独を求めているかと思えば、悪いとわかりながら非行の仲間集団にしがみつくなどして、トラブルを引き起こしてしまうこともあります。

大人の発達課題

大人の発達過程で苦しみを抱えている人はたくさんいます。

自分がどう生きるかが左右される重要なテーマが課せられています。

各発達段階の傾向を学習していきましょう。

成人期の特徴

成人期(20〜30代)は、自分の幸せの基盤をみつけて安定を求める時期です。

この年代の人々は親密な関係を求める傾向を有しており、結婚を意識し始める時期とも言われています。

親密な関係を求めて成功すると、相手のことを深く理解することができ、共感性を高めることができます。

また、相手に自分のことを開示する力(自己開示性)も獲得できます。

安定した幸福感を得るためには、恋愛などで傷つくリスクに負けず、親密な対人関係が築けるように努力することです。

安心できる環境・安心できる自分の居場所を自分で努力して作ることが、成人期の最も大きな課題です。

壮年期の特徴

壮年期は、親密な関係だけでなく、社会の中に自分の安心できる居場所を見つけることが可能になる時期です。

新しい家族を持ち、子どもを育てるなど、未来の世代への関心も高まる時期で、充実した時期を迎えます。

一方で、自分の将来への可能性と夢を描いてきた不安定な時期をやっと乗り越え、充実した環境に慣れて来た頃には、急に自分の将来が見えてしまいます。

この急に見えてしまう自分の将来から、不安を生じさせてしまうことを、ユングは「中年の危機」と明言しています。

この時期の不安は、青年期の不安とは異なり、落ち着いた自己洞察の深い不安です。

一人で抱え込むことが非常に困難で、心身の不調となって表れてしまうこともあります。

この不安を乗り切るには、これまでの人生を振り返った後、ただ落ち込むだけでなく、また新たな一歩を踏み出す気持ちを抱くことが非常に重要です。


老年期の特徴

老年期は、仕事を引退し、子育てからも開放され、自分のためだけに生きようとする時期です。

老年期を迎えると「死」という人生の重大なテーマから逃れることができなくなります。

老年期は、壮年期よりももっと深く、自分のこれまでの人生を振り返る時期です。

この時に重要なのが、

「自分の人生はとても素晴らしく、楽しいものだった!」と、

自分のこれまで歩んできた人生を、肯定的にとらえることができるかどうかだと言われています。

身体的な衰えをありありと感じる時期でもあります。

身体的な衰えは、気持ちが弱気になったり、絶望感を感じやすくなる傾向もみられます。

この時に、役立つのが幸せだった昔の記憶や、自分が生き生きと過ごしていた記憶を思い出すことです。

自分の人生に肯定的な意味を見出し、精神的な元気を取り戻せることがあります。

まとめ

・発達理論は自分の理解を深め、人生の道筋を示してくれる。
・子どもの発達段階は安定した居場所で社会生活に適応する時期
・乳幼児期は、好奇心の制限、仲間との遊び、愛着形成が課題
・学童期は、劣等感との戦いが課題
・青少年期は、同一性の確立が課題
・大人の発達段階は「自分らしくどのように生きるか?」
・成人期は、自分の幸せの基盤となる環境、居場所を作る時期
・壮年期は、社会の中に自分のい場所を求める時期
・老年期は、これまでの人生を肯定的に捉えて自分のために生きる時期


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今回の記事は以上になります。

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