『君たちはどう生きるか』を何回もみて!
公開時スクリーンで観てきた宮崎駿監督作品の『君たちはどう生きるか』。
今までもスタジオジブリのアニメはよく観てきた。今回の映画は公開前に内容についての情報はなく淡々と見たことを覚えている。
映画館で一度観た時はそんなに感想はなかった気がする。
ここのところDVDで何回か観る機会があった。
初めは聴いたはずの映画内の音楽がとても頭に残る気がした。一回スクリーンで観たときには気がつかなかったメロディーが場面が変わるごとに気になった。
メロディーが気になると、場面に出てくる人物の心の内から出るような感情、想いと重なりじわじわとこちら側に染みてくるような感覚に!
いつも映画を観る時。前情報はみないことが多いから、まずそのストーリーが好きになり、次にその中の音楽が好きになり完成!という感じ。
『君たちはどう生きるか』は一回観ただけでは私はよくわからなかった。
スクリーンではなく自宅にて何回か観る機会があった。何回か観るうちに先にメロディーが頭に入り好きになり、次にストーリーが頭に入るという順だった。メロディーとストーリーが私の中でひとつになったよう。
それから何回も見て登場人物の心の中の様子がメロディーと共によく理解することができた。
不思議な世界で出逢ういろいろな立場のいろいろな生き物。死んでいるのか生きているのか。その狭間の世界なのか。見る私たちの想像で世界ができあがっている。最後に出逢えた大叔父と眞人との会話。
石を積んで平和な世界を作っていってほしいという大叔父の理想的な願い。
それに対して眞人は自分でつけた頭の傷を悪意の証拠として忘れないようにしながらも夏子お母さん、お父さんたちと共に元いた世界に戻り生きていく!と話しました。
理想的な行動をするためにストレスをなくした状態での行動ではなく。世のストレスにもまれながらも、何かあったときに悪意のない真っ直ぐな行動をどれだけできるか!どう生きるべきか!ということを考えて行動することがこの世界でも地道に石を積んでいくことになるのかな〜と思えた。
何回も何回も観て登場人物のいろいろな言葉をまた拾うことにより、それをかみくだき解釈が進んだ気がした。解釈はきっと人によって違うし、私でさえその時の自分の体調や考え方で変わることもあるのではと想う。
今回はその時の登場人物の感情と心の奥を表してくれるような映画の中の音楽に導かれたような気がした時間だった。
誰もが一人では生きていない。家族との時間。友人との時間。恋人との時間。仕事の仲間としての時間。どうしても触れ合う中で小さいことから大きいことまで思い通りにはならない時。どのようにするべきか!ということは一人一人考えてよくも悪くもどのようにも決めていけるんだということを意識する作品になった。