雨の日に、詩を知る。
人混みが苦手なわたしにとって、池袋という場所はハードルが高かった。
それでも、憧れの詩人の松下育男先生のお話を、生で聞くことができるなら。。。
腰は重かったが、心は軽く、わたしは向かった。
外は雨。あいにく、今日は一日中、雨なのだった。
先生の話される言葉は、なんだか全て詩のようだった。
話される言葉が全て、散文詩のようで心地よかった。
その中から、必要な言葉を必死に、大切にノートに書き留めた。
頭が反応した言葉ではなく、わたしの心が反応した言葉を選びながら。
そして、先生の声と、その場の空気を感じながら。
その人100%の言葉とうのは嘘がないから、人の心を揺さぶる。
だから、わたしは、先生の詩に対する8つのお話を聞きながら
こっそり何度も涙した。
心が、おそらく魂というものかもしれないが、わたしは反応した。
詩というものとの向き合い方、在り方の先生のお考えを聞いて、
わたしは安堵した。
日の目を浴びている作品を読めば読むほど、意味がわからなくなって、
自分の詩を厳しい目で見るようになっていたことが、どこか苦しかった。
「詩に形はない。
定義も曖昧だからこそ、自分の書き方を突き詰めればいい。
誰に遠慮することはない。
詩は、手元の文学。書く喜びは、生きる喜び。
僕は、詩を書いて幸せになった。」
先生のこの言葉たちは、わたしの御守りだ。
きっと、これから、マントラのように唱えるだろう。
わたしは、未完成のまま
詩を書き続けよう。
詩は、きっとどこにでも現れる。
目には見えないけれど、言葉を身にまとって現れる。
晴海たお