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【鵺の陰陽師】本作に繋がるふたつの読切『瑕疵陰陽大戦』『鵺ん家』のことを知ろう!


◆第1巻好評発売中

先週発売されたばかりの『鵺の陰陽師』第1巻はどうやら売れ行き好調のようで大変めでたい。
ジャンプコミックスは基本的に新人作家の第1巻はあまり刷らない傾向が多いのだが、その影響からか発売日数日後には売切続出の書店が多発しているそうだ。そのうち公式Twitterからも重版告知がされるだろう。

Amazonでは10月10日現在は紙版の在庫はある様子。
だが、敢えて今は電子版もお勧めだ。何故なら現在224ポイント(45%)還元のセールを行っているからだ。どうやらジャンプに限らず集英社のセールのようで、いつまで開催かどうかのソースは不明なのだが、とりあえず実質お試しで買ってみるのもいいかもしれない。ぼくはできるだけ長く読みたいので是非友人や知人にもオススメしてやってください。

◆鏖(ひょう)

今週発売のジャンプ45号掲載の第21話では、これから倒すことになるだろう敵の存在開示がされた。

黒い柱は封印の楔?

「鏖」(ひょう)。
幻妖を産み出すすべての元凶にして祖であり、それが本作の舞台・篝弥市に6体封印されていることが今回判明した。本作のヒロイン・鵺さんもその一角である。

謎は多い。
彼らは鵺さんのように強大な力を持つ存在。倒すことはできなかったとしても、どのようにして封印されたのか。何故この町限定なのか。
とりあえず、6体に絞ったのは無駄に風呂敷を広げすぎない、丁度良い塩梅の良さがある。無事に6体すべて登場できることを祈ろう。まあ、『DEATH NOTE』の死神のように本編で出すほどではない個体もいるかもしれないが。もしかすると、他の町にも強大な幻妖が存在するのではないのかと考えられる。実際この世界のことはまだよくわかっていないからなあ。

因みにぼくのノートPCがそうなのだが、「ひょう」では変換できない。「みなごろし」とも読むのだが、そちらでも変換できない。というか、本作は「盡器(じんぎ)」を中心に通常変換できない造語が多いし、最近はめちゃくちゃ専門用語が増えてきたので、積極的に辞書登録するといいだろう。

さてこの「鏖」。
実は川江先生の過去の読切と関係している。

以前から題材が本作に通じるものがあったのでチェキっていたのだが、今週になって大きくその色が出てきたわけだ。今回それらの紹介も兼ねて、軽い考察をしていきたい。

◆瑕疵陰陽大戦

GIGAで新人のセンターカラー=期待度高い

『瑕疵陰陽大戦』(かしおんみょうたいせん)。
タイトルは別だが、「陰陽」が含まれている通り、陰陽師たちのバトル漫画である。プロトタイプのひとつといえばしっくりくる。
川江先生の読切3作目である。
因みに1作目ないしデビュー作は『旅立ちの夜』(※無料で読める)、2作目はジャンプGIGA 2020 SUMMERに掲載の『初めての竜肉』なのだが、その二作品は現時点では『鵺の陰陽師』とは関係していない。勿論スターシステムが採用された日にはチェキる予定だ。

本作は『ジャンプGIGA 2020 AUTUMN』に掲載された。
2020年10月16日発売なので、ちょうど3年前。その頃から既にジャンプ+で定期購読されている方は上記リンクから無料で読めるはずだ。

Amazonからでも電子版が購入できる。

物語や登場人物は『鵺の陰陽師』とは全く別。
結構ハードだ。陰陽師は12人しか存在していないのがもうヤバいし、後半はかなりシビアな展開になっていく。前半のギャグ展開や川江先生独特のセリフ回しからのギャップがすげえすごい。『鵺の陰陽師』もいずれあのような世紀末展開になるのだろうか。というか、川江先生の読切は結構大胆な展開が多い。

本作でも「幻妖」「鏖」の概念が登場。
但しこちらは鏖が72体とめちゃくちゃ多い。単なる偶然かもしれないが、ソロモン72柱をモチーフとしているのだろうか?但し日本が舞台なので和の妖怪に置き換えているのだが。『鵺の陰陽師』では6体に減らしたのは正しい判断だろう。

因みに登場した幻妖は2体のみであり、片方は「大太法師(だいだらぼっち)」。そしてもう片方がボスキャラとなる、

天邪鬼(あまのじゃく)。
ひねくれた性格の人間をそのような蔑称で呼ぶことがあるが、それとは別に小鬼の妖怪が発祥となる。人に悪戯をする妖怪とはいえ、この読切では悪戯では済まない大惨事を引き起こしているが。

よく見ると、首から下は『鵺の陰陽師』第1話に登場した謎の人型幻妖に似たデザインになっている。特に両腕の衣やマフラーが類似しているように見える。
第1話の人型幻妖は鏖である天邪鬼から生まれ出て、刺客として投入された可能性も有り得そうだ。鏖の一角だとはまだ断言できないが、ひとつの可能性・根拠として脳の片隅に置いておきたい。

また、この読切では幻妖を式神化かつ買い取りというシステムがある。『鵺の陰陽師』でその設定が輸入されるかは分からないが、今のところ幻妖も式神も似たようなクリーチャーの類だ。ただ、式神化といっても他の作品でよく見るお札。因みに買取金額は150万円。

◆鵺ん家

鵺ん家』。
ジャンプ本誌2022年15号に掲載された、『鵺の陰陽師』のプロトタイプにして6作目の読切である。
4作目は2021年8号に掲載された『ツクモギリライフ』、5作目は2022年9号に掲載された『サモンズR』である。こちらもリンク要素があれば後程紹介予定。

単体でバックバンバーを購入するのもいいが、現在も無料で視聴できるボイコミが一番オススメ。

『鵺の陰陽師』のプロトタイプだけあって、鵺さんはそれほど変わっていない。一方夜島くんは名前が同じだけの大分別人。というか、戦うのは鵺さんになるので、狂言回し役に置かれている。

本作では「幻妖」「鏖」の概念は登場しない。
ただ、幻妖は「妖怪」、鏖は「大妖怪」という括りにされている。こちらも鵺さん含めて6体。

封印地点は舞台となる学校に限定されており、封印された部屋の広さによって強さが比例される設定になっている。
数値を見るに、鵺さん(35920)が二番目に強い。右下の一番強い和ロリ(115461)は、前回スタースレイブを使ったロリ鵺さんと関係があったりするのかもしれない。そして左のヤツ(1130)はいくらなんでも最弱すぎないか??

この読切のボスキャラとなるのが、

玉藻」。
妖狐「玉藻前」まさにそれである。Fateシリーズでおなじみのキャス狐が一番連想されるかもしれない。ジャンプ的には『地獄先生ぬ〜べ〜』の玉藻先生か。人間形態⇒妖怪形態と分かりやすいパワーアップだが、『鵺の陰陽師』では「盡器」という武器の概念がある。まあ、一部の妖幻が所有なのだが、本作のウリのひとつなので出さないのも変な話である。

***

そういうわけで、仮に「鏖」が読切作品から本編に輸入されるのなら「天邪鬼」「玉藻」の2体となるだろう。どのみち有名な妖怪がチョイスされそうだ。Fateシリーズのサーヴァントの知名度補正よろしく、最も人々から畏れられている妖怪が最強なのかもしれない。

いずれにせよ、「ぼくのかんがえたせいはいせんそう」のように何が参戦するのか妄想するのはいつの時代も面白い。数世紀後にも受け継がれて欲しい、少年漫画のロマンだ。

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