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Nikkor-Q Auto 1:2.8 f=135mm

 ご無沙汰しております。最近すこし写真を撮れるくらいに回復してきたので積んでいたレンズやカメラを振り回したりしております。

 今回は1965年発売Nikon製Fマウントレンズ、Nikkor-Q Auto 1:2.8 f=135mmをDXフォーマットのNikon D3300に付けてみました。D3300はセンサーサイズがDXフォーマット(APS-Cとイコールではないらしい)なので今回のこのレンズも画角も35mm換算値で206mm相当と中途半端な画角にはなりますがようは単焦点の中望遠レンズです。ジャンクコーナーに3,300円(税込み)チリアリだったので状態を確認したところまぁあるにはあるが撮って気になるようなら外してブロワー吹けば終わりレベルだったので購入。そのまま放置していました。

 始めてのレンズを使うにあたってレタッチをしてしまうとレンズの特性がわからないので以下の画像はカメラ側の画像保存形式をRAW設定、書き出しはjpegでそのままアップロードした画像です。

 この日は若干日が落ちた午後から歩き出したのでEVはそこまでなく、でも解放で撮るほどでもなかったので絞り値はF11で固定していました。カチカチっとした絞り環の操作具合がいいですね。レンズ自体は金属とガラスで作られていた時代なのでそこそこの重さがあります。かばんを持ち出すのが手間でカメラに付けたまま首からさげて歩いていたらわりと首と背中に疲労が来ました。

 古いレンズではたまにヘリコイドのグリスがだめになってピントリングが重い個体もありますが都合57年前のこのレンズは特にそういった症状はありませんでした。ほぼ任意の感覚でピントを合わせることができます。静物相手なら十分ですが相手が動物となるとピントリングで合わせるだけではダメなようで絞り側でも被写界深度を合わせてあげる必要があります。一眼レフのファインダーから覗いて見た目で合焦していてもパソコンで見ると若干ハズレとりました。

 ただレンズの描写能力は高いです。水面が平たんにならず、鴨や枯草とのコントラストを出しつつ水底の色味がちゃんとある。鴨を見ると光源側からの自然光で体の羽毛に飛びや潰れも見られないので良いレンズですね。つまりこのレンズで外したら俺の腕がへぼということになります。なりました。

 最後に手前のボケ感と奥行きを撮ってみました。絞り値はF11のままなので手前の手すりや街灯がボケて歩道から画像の奥へと順当にピントが合っていきます。こうして書いていて思い出したのですが奥をボカすポートレートみたいな撮り方を試すのを忘れておりました。まぁポートレートでも解放側のF2.8にして多少離れて撮れば望遠圧縮もかかっていい感じになりそうですね。ただそれをやるならもう少し焦点距離が短いレンズの方が仕事としては適切かなとも思います。これを使うならば手前と奥を同時にボカして中段の被写体へピントを置けばとてもいい仕事をしてくれそうです。

 このレンズの難点としては重さくらいでしょう。このレンズと近い焦点距離を持つ現行品の重さとは比較になりません。鏡胴だけみてもしっかりとした金属製なので強化プラスチック製の軽さには敵いません。構成レンズも分厚そう。次に持ち出す時は流石にかばんを持っていきます。首にかけ続けるには向かない。加えてストリートスナップにも少々厳しいかも知れません。何せマニュアルフォーカス、とっさにピントを合わせる能力はカメラを持つ人間の腕次第です。構造物などは問題ありませんがとっさの早さや小回りは求める方が無理筋でしょう。それはGRを使え。

 以上。

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