サービス受け身の3つのレベル
前回、アメブロの方でサービス受け身について触れました。
本記事に少し反響があったので、今回はこれについて深く述べていきたいと思います。
サービス受け身は技が効いているという錯覚を起こしてしまう⇒取りにとって良くないとブログで書きましたが、稽古をある程度積んでいれば「いや、今のは効いてないはずだ」っていうのは分かるはずです。
なぜかというと、取りにとって必要なフィードバックがないまま受けを取られているからです。
相手を投げた「結果」だけを見てしまうと技が決まっているように見えるのですが、実際には投げる上で必要な要素(位置関係やタイミングなど)が技をかける「過程」で揃っているかが重要なんですね。
取りは技のかかり方を感じることで、結果的にそれらの要素が揃っているかどうかが分かります。
で、一般的なサービス受け身というのはこの要素が揃っていないのに受けを取ることです。
これが分からない(=フィードバックを感じ取れない、理解してない)取りにとっては、投げられたからOKという勘違いを生んでしまうので、サービス受け身は有害だということなんですね。
じゃあ逆に有益なサービス受け身はあるのか?という話ですが、結論から言うとちゃんと存在していて。
合気会 理事からの一言
私は本部道場のKB師範の受けを取らせていただくことがあるのですが、その受けをご覧になった合気会の常務理事から飲みの席でこんなコメントを頂きました。
「相手のやりたいことを理解して動けている受けだね。それで良いと思うよ。」
この一言に全てが集約されていると感じます。
「相手のやりたいことを理解して、その通りに動く」、これは一般的に言われるサービス受け身とは似て非なるものなんですね。
今日はこの違いについて深く掘り下げていきたいと思います。
サービス受け身の3つのレベル
一口にサービス受け身と言っても、段階というかレベルのようなものがあります。上記の「似て非なる受け」を入れると、下記のような3つのレベルが存在します。
①必要な要素が揃っていない状態で動く(効いてないけど動く)
②必要な要素を揃えるように動く(自分が効くように動く)
③相手の意思に沿うように動く(相手が効かせるように動く)
これだけでピンとくる方もいるかもしれませんね。
まだ頭に「?」が浮かんでいる人はそのまま読み進んでいただければ。
ちなみに、
①は有害なサービス受け身
②は初心者の取りにとって有益なサービス受け身
③が受け自身にとって有益なサービス受け身
に相当します。
大学合気道部のコーチをやっております。頂いたサポートはコーチの活動経費(交通費)や大学合気道部の寄付に充てています。