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映画雑考

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映画レビューと言うよりは、観ている間と後に思ったことを書き留めたメモの様なものです。
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2016年4月の記事一覧

#039「スカイライト」

#039「スカイライト」

ナショナル・シアター・ライヴ観てきました。
つぶまるさんのレビューを読んで、その存在自体を初めて知って、こんなものがあるなんて!と慌てて調べて慌てて行ってきた。※本当にありがとうございます。

二人芝居で、ひたすら会話劇。
かつての恋人と再会して、心を通わせようとするんだけれど、一度は終わっているし、良い別れ方でも無かったし、そもそも不倫だったし。で、基本的にはずっと言い争っている2時間42分。

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#038「エターナルサンシャイン」

#038「エターナルサンシャイン」

何度生まれ変わっても、君を見つけるよ(それって凄く残酷だわ)。の、映画。

この世界には、記憶の中から特定の人を消してくれるサービスがある。
依頼すると、寝ている間に消してくれて、起きた時にはその人との記憶はさっぱり消える。
だけど、忘れたい人は忘れられない人だから、何度出会っても恋に落ちてしまうし、忘れてしまっているので多分、何度でも同じ様な理由で惹かれ合って、同じところで喧嘩したり、別れようと

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#037「リップヴァンウィンクルの花嫁」

#037「リップヴァンウィンクルの花嫁」

「結婚」て、なんだろう。

誰かを好きになってある程度適齢期まで一緒に居て、色々あったけれど自分にはこの人なんだろうなぁと思って、けじめをつけるでも、なんとなくでも、愛を誓って。でも、理由は色々あるけれど気がついたら、していたもの。

というやつじゃなくて、明確に決めたわけではないけれど、なんとなく出来ないままここまで来てしまったなー。という状況で目指すor 目指さない「結婚」は、結婚とは大きく異

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#036「リスボンに誘われて」

#036「リスボンに誘われて」

自分は自分で居ることを辞められなくて、昨日も明日も明後日も自分であることがどうしようもなく嫌になるときがある。
誰かの物語の中に居るときにだけ、私という思考回路から自由になれ、その間だけ安心した気持ちを得られる。
私が映画を観たり小説を読む理由の一つです。

私は何故か、夢の中も他人の物語感があって、出てくるのは確実に自分なのだけれど、なんか自分ではない感じで、そこでは安定していられる。夢の中は安

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#035「ダラス・バイヤーズクラブ」

#035「ダラス・バイヤーズクラブ」

主人公は、カウボーイで、酒も女もギャンブルもめちゃくちゃで、飲む→打つ→買う(以下ループ)みたいな人生を送って来たのだけれど、ある日エイズが発症していることが分かり、絶望し、仲間からも差別されてしまう。
そこから、病気と向き合い、形振り構わず密輸でも密入国でも何でもやる。
最後まで、未承認の薬を認可させるために走り回る。点滴引きずって何処へでも行く。実話を元にした作品。

人のために素晴らしい働き

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#034「ウォールフラワー」

#034「ウォールフラワー」

あの時が、あの時でしかなかった様に、今は今しかないんだなー。と、桜を見る都度思うのだけれど、その感覚がより鋭く入ってくるのは歳かしら。

嫌な出来事や辛いことも、同じくらいかけがえのない、今だけのものに思えて、駄目な自分も叶わないことも、なんだかとても貴重な気がして、今ある全てを味わいたい。と思う。
車から眺める景色がどんどん過ぎて行く様に、日が傾いて影が刻々と伸びる様に、日々は流れ去ってしまう。

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