#038「エターナルサンシャイン」
何度生まれ変わっても、君を見つけるよ(それって凄く残酷だわ)。の、映画。
この世界には、記憶の中から特定の人を消してくれるサービスがある。
依頼すると、寝ている間に消してくれて、起きた時にはその人との記憶はさっぱり消える。
だけど、忘れたい人は忘れられない人だから、何度出会っても恋に落ちてしまうし、忘れてしまっているので多分、何度でも同じ様な理由で惹かれ合って、同じところで喧嘩したり、別れようと思ったり。を繰り返す。永遠に。
見ていると、それって、通常の夫婦や恋人の状態も一緒よね。と、思い始める。記憶を消されても消されていなくても、何度も同じことをぐるぐる繰り返してしまう。誰かと一緒に居るには、少しずつ波長を合わせるしかない。
恋愛において、学習ってあまり期待出来ないのかも。だからこそ、もう一回やってみようよ。トライ・アンド・エラー。アゲイン・アンド・アゲイン。と思える相手が、自分にとって最良の人。なのかしら。
主人公の彼女は、エキセントリックで衝動的で、相手も自分自身も振り回すんだけれど、どうも嫌いになれない。
ちなみに、本屋で働いているという設定が、私的にはつぼ。
と言うか、この映画に出てくる人達はみんな全然素敵じゃ無い。だらしなくて感情的で、享楽的でいい加減。でも、なんかみんな愛おしい。
自分にとってぴったり気の合うの人が現れて、自分が相手にとって最高のパートナーになれて、愛されて完璧で幸せな生活。ハッピーエンドは幻想だ。
駄目なところが沢山あって、だけどみんな幸せになって欲しい。
その中の一部になれたらそれだけで良いかな。という平らな気持ちになった。