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第16回書き出し祭り第三会場感想まとめ 前編(1〜15)
説明
書き出し祭りとは、プロ・アマチュア混合で小説の書き出しのみを公開し、面白いか、続きが読みたいかなどの評価により読者が投票し、書き出しの魅力を競い合う完全匿名のイベントです
公式様↓
https://twitter.com/kakidashi_fes
3-01 あの夏に君がいる 感想
よかったところ
「夏×幼馴染×田舎」ノスタルジー三元素で情緒がいい意味でかき乱された。こういうの好き。
「幼馴染が死んでしまったのか……切ないな……このままユキへの感情を引きずるのか遥との関係性に進展があるのか?」青春×恋愛と思わせておいて最後の不穏さにびっくりしました。
続きがとても気になる終わり方
個人的に気になったところ
文脈からして人名に一箇所間違いがある……?
3-02 毎日僕をイジメていたガキ大将の男の子がTSしました。感想
よかったところ
いじめっ子のガキ大将がよりにもよって美少女になってしまう。せっかく鍛えて今なら勝てるとさえ思ってたのになんか裏切られたような、そんな感じ。意外性の二段構えで面白かったです
自分を鍛えた主人公の動機が復讐じゃないことに好感が持てます。初めは少しでも踏み出せるのはえらい!
個人的に気になったところ
前書きで書かれた「引き」まで本文が追いついてない感じでモヤっとしました。次話への続きが読みたい欲はあまりない。文字数調整大変なのはわかる……
これは本当に個人的な思いなのですが、私を虐めてきたヤカラが美男子になろうがアイドルになろうが可憐だろうがなんならけもみみだろうが⚪︎したいくらいの憎しみは消えないので……なんというか、あっさりしてるなーと思いました
☆3-03 ルゼの喝采、あるいはファランディールの偽典 感想
よかったところ
芸術学校を卒業する人たちが、義務教育みたいに年齢層がわかっている感じではなくて、在籍期間・卒業時年齢・性別も様々であること。様々な年齢の人が集まってピアノの技術を競うショパンコンクールみたいな、芸術を修めるとはそういうことなんだな、という納得感
劇作家の狂気に巻き込まれた娘婿(血の繋がりはない)と実の娘……芸術家ってそういうトコあるよね、という納得感(2度目)
「芸術の街」を「喝采の街」って呼ぶ感性
前書きにおいて。セロがエメリを好きなのは明言されていたが、お互いに「なけなしの恋」がある……?ということはエメリちゃんの想い人はセロじゃない……?続きが気になる終わり方
個人的に気になったところ
特になし。さては書籍化作家さんですね?
3-04 呪われた厄災令嬢は幸運王子の【お守り】です!〜外堀陥没で溺愛ルートのできあがり〜 感想
よかったところ
貴族なのにボロ布をまとい、毛布も役に立たないくらいの寒さにあえぐ……辺境に嫁いでしまった女性の物語でありがちだけど、自分がもたらす不幸(不運?)のゆえだとは……
仕送りを届けにきた家臣も逃げ出す始末とは可哀想だが、応援したくなる。主人公属性としてはGOOD
幸福値もカンストすると困るんだなぁと王子に共感
互いの短所を埋め合う理想的な結婚だけど、王妃最有力者だった女性・圏外だけどお家の将来を背負ってパーティに来た女性・叶わぬ恋をする男性それぞれを主人公にして番外編書けそう
個人的に気になったところ
前書きの「両親が魔女の好きな人と結ばれたからと、周囲を不幸にする呪いをかけられた」が、本文と齟齬を起こしているような……?
☆3-05 家出王子の世直し旅 〜幼女剣聖を添えて〜 感想
よかったところ
可愛くて小さい女の子と、彼女が持つ、どう見ても体躯とアンバランスな大剣。ギャップ萌えはよい。
個人にスキル付与がされる世界。王家に不要なスキルを持たされた可哀想な王子の物語かと思えば、「王の本音」というワードが。実は役に立つスキルなのか?と思わせておいて実際に役立つ場面を見せて説明にもなっている。しかし王が欲しがるスキルとはまだ思えず……。読者への情報の与え方が秀逸
やられ役と追手のやられ方が、声をあげる暇もなくボコボコにされているようでコミカル
個人的に気になったところ
武勇を誇る家系なのなら、初陣的な状況で血くらいは目にしてそう。あまりにも役立たずなので戦にも出させてもらえなかったか、その年齢に達していないのか不明、ちょっと気になります
3-06 自律式可動人形のとっておき 感想
よかったところ
自律式可動人形という呼び方が好き
工房の内部の描写が精緻。機械油とか、よく使うところとあまり使わないところで積もり方が違うホコリとか、まるでその場にいるような臨場感でした
主人公の血が精神肝に伝ったら起動したということは、失踪した父が作った自律式可動人形には父の血が……?父の失踪の原因とは……?想像をかき立てるストーリー
個人的に気になったところ
自律式可動人形リアトリスの復讐心はどこから来るのかが唐突に出てきたように思いました。謎の二段構えはとても好奇心をくすぐられるのですが、リアトリスの憎悪の刺激が強い割に、リアトリスが主人公の父に憎悪を抱く理由のヒントが出ていなくて感情移入しにくい。(単に私の読解力の問題かもしれない
3-07 ドヤ街からの異世界進出 ~手配師から侯爵兼副社長へ~
よかったところ
「異世界に召喚された勇者」という、物語の主人公になってもおかしくない属性の人間の人物像が、伝聞でしか窺い知れないところ。勇者との出会いも物語の中盤〜終盤の見せ場になりそう。なんと言ってもその勇者が手配書を回されている暴力団総裁の娘というのが……勇者との恋愛はあるのか気になります
異世界なんてものの存在を知らなかった「手配師」が、微妙に勘違いをしながら巻き込まれていくこと
異世界での巨大利権を手にした元暴力団員の回想録であるということ。回想録の文章の雰囲気が好き
個人的に気になったところ
異世界から逃れてきた女性たちがホステス……リアリティがあっていいのですが、女性読者はあまりこなさそう
3-09 走れ、敗者復活線! 感想
よかったところ
敗者復活戦と鉄道の〇〇線をかけているタイトルがシンプルだけど面白い
市役所職員が廃線間近の鉄道に出向して初めから復活にやる気というわけでもないというのがリアル
ヤケクソの案が採用されて困惑する主人公がかわいい
あらすじも過不足なくテンポ良くよかった
市役所側としては主人公の活躍を喜ばない→廃線に内部から働きかけさせるつもりだった?かつての同僚とのバトルも予感させる、続きが読みたい終わり方
個人的に気になったところ
だいたい推測はつくけど、地名を含む固有名詞は時折特殊なものがありますので、鉄道名に振り仮名を振ってほしいです
3-10 ねこ ~未知なる王国を目指して~ 感想
よかったところ
ネコチャンは正義。ネコチャン好きの、ネコ
チャン好きによる、ネコチャン好きのための
小説
ネコチャンの福祉が充実している団地みたい
な施設の「村長」が熱狂的な人気を誇るの、
わかる
若干カルト化してるのもやむなし
ネコチャン好き住民の団結力と横の繋がりが
凄そう
ケット・シーのアナウンサーが可愛い
個人的に気になったところ
悪魔を召喚してケット・シーの王国を探そうとするわけだが、召喚を担当する神父の生い立ちが気になる。お金が欲しいということは借金でもしているのか?
3-11 レディ・プリンスは偽りだらけ 感想
よかったところ
男装の麗人はよい。(確信)
とりかえばや物語のような、男が女に、女が男に成り代わっているのが面白い。どうやってバレないように過ごしていたのか想像をかき立てる
月に5日しか元に戻れない限定感がよい。
個人的に気になったところ
彼はエカチェリーナの異母弟の、明日に控えた立太子の儀に招かれた客人だった。
彼(ベネディクト)が異母弟なのか、客人なのか判然としない
異母弟かつ客人?異母弟が立太子?
よく読めばわかるがちょっと躓いてしまう
彼が父王が紹介する間もなく王女の腕を掴むなどという暴挙に出るなどと考えただろう。
彼「は」父王が、の方がいいかも
求婚未遂のシーンの後、説明の地の文が長い
3-12 耳なしウサギと硝煙と彼女の夢が覚めないうちに 感想
よかったところ
あらすじからわかる切なさ
過酷な環境から助け出してくれた「おじさん」が実の父親であると読者に明かすタイミングがよい。散々「ずっと一緒にいる」と約束した後なのが切なさをそそる
その場所がバーなのもいい。そこのマスターと仲が良いらしいというのもいい。
耳がもげたうさぎのぬいぐるみを、女の子が大事にしているというのがいい。おしゃれや美味しいものは堪能するけどぬいぐるみだけは手放せない気持ちわかる
個人的に気になったところ
女の子が囚われていたところで薬や注射をされた?=医療系サスペンス?と思わせておいて、その後はその系統の話がなくて宙ぶらりんな感じ。※好みの問題かもしれない
☆3-13 三文小説家、華の帝都の闇に墜つ 感想
よかったところ
大正時代のレトロさとその影に隠れる、やがて昭和の敗戦にも向かう闇みたいなものがうまく描かれていると思いました
主人公の属性開示、知人の死、謎の掲示、バディの登場までの流れがスムーズかつ過不足ない
血の演出が文章なのにリアル
心算と書いてつもりと読ませるみたいな昔っぽい口調好き
軍服姿の敵役が人間の死に方ではない消え方をした。妖怪とか人外ものでもあるのか?興味をそそる
個人的に気になったところ
特になし。さては書籍化作家さんですね?(第三会場2回目)
☆3-14 ネイビーカラード・モダンガール 感想
よかったところ
「顔がない」ゆえに、個人個人がそのとき一番好きな顔に見えてしまう→誰もに可愛がられる
可愛がられてよかったね、で済まない業が深い属性で、人間のアイデンティティの問題に踏み込む大作になる予感
途中まで読み進めて「あぁ……やはり」となりました。その特性ゆえに、諜報機関の、それも恐らくはハニートラップ要員として重宝されてしまった。恩人でも「秘密を知る者」であるならば殺す、という非情っぷり
稀代の問題児秋山の問題児っぷりの度が超えていて好き。スイカ育てるなし
羊羹二本の願掛けが悲しい回収のされ方をしたところ
尾瀬さんが二人に振り回されるのが目に見えるところ
個人的に気になったところ
特になし。さては書籍化作家さんですね???
3-15 偽神殺しは祈らない 感想
よかったところ
最初の一文が印象的
神・偽神・天使の、この作品内での用法・意味を説明がくどくならずに読ませるチカラ
自分の子供さえ”神”に捧げることを厭わない夫婦の愚かさへの因果応報
白髪の少女が刀をふるうの、よい。
現代あるいは近未来舞台と思われるが、その中に呪術・魔法的要素がある。流行りを理解っている感がすごい
スッポンポンで今まさに生贄にされそうになっている主人公の放置プレイが可哀想だけど笑える
個人的に気になったところ
「偽神」を「にせがみ」と読ませるのか、「ギシン」と読ませるのか、小鳥遊さんの読み方等、振り仮名を振ってほしい箇所があります
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