脳内海外スタッフによる添削のススメ
こんにちは、はるさんです。
NZさんの記事(英語⇄日本語を行き来すると、文章の粒度が適切になる)を拝見し、実体験と繋がる部分が多く共感できました。今週は、日本語⇄英語的発想をテーマにしたいと思います。
英語メールでのコミュニケーションによる副産物
海外に赴任してから、英語でメールを書くことが多くなりました。日本にいるときも英語メールの機会は勿論ありましたが、当時は定期レポートなどでコミュニケーションとまではいかないものがほとんどでした。
いざ英文で現地の人とコミュニケーションを始めると、良く使われる文法や言い回しを身につけることはもとより、自分のメールの文章構成の組み立て方がイケてないな…と感じ始めました。
大きく分けて、対ローカル、対日本でそれぞれ感じたことがあります。
対ローカルでの気づき
まず、我々日本人の文法力は良くも悪くも素晴らしい。中学校から文法を中心に学んでいるだけあって、パズルのピースをはめるかの如く、メール一文一文の文法はとてもしっかりしています。
関係代名詞がどうだ…、この場合は過去完了で…と組み立てていくと、凄く長くてかっちりとした文章が出来上がります。その結果、相手への返信で、相手の文章量よりだいぶ膨らんで返すことになっちゃったり。
綺麗な(“文法的に正しい”)英文を書くことに集中してしまって、本来伝えたいことではない部分に力を注いでしまい、結果、全体がぼやけてしまうことがよくありました。
原因は、ありきたりな言い方ですが、日本語で考えて英語に訳そうとするからです。解決するにはいきなり英語で考えることが出来れば理想ですが、私もそこまでスムーズには出来ていませんので、その場合は、
✅相手が求めている答えは何か
✅それが一番伝わる英“単語”は何か
この2点からスタートするとスッキリした文章ができる気がしています。特に、英文を頑張って検索するのではなく、英単語で考えると良いと思います。
(「見る」という日本語でも、英語だと色んな単語がありますよね。どういう意味が一番しっくりくるのか考えてみるのが、思考の整理に役立ちます。)
対日本での気づき
また、対ローカルでの気づきは、日本の方とのやりとりでも更なる気づきをもたらしてくれました。
日本では、会社ごとにメールの作法(例えば最初と最後の言い回し、必ず毎回名乗りから入る等)が強くて、文章全体のボリュームを多くしてしまっていることに気づきました。
これも、英語の場合と同様、全体をぼやけさせてしまう原因に感じました。
また、丁寧な文章を心がけた結果、文章が長く、婉曲的な表現になっている方が多いことを実感しました。
私のオフィスでは日本語を話せる方がいるので、日本サイドから日本語でメールをされることも多いのですが、現地スタッフから「言っている意味がよく分からない」と聞いてくる事がよくあります。(会話では日本語能力に問題はあまり感じませんので、言い回しのせいかなと思っています)
日本サイドも相手(現地スタッフ)を思いやった結果、失礼の無いようにその表現になっていると思いますが、実際は逆効果になってしまっているようです。
また、少数ですが、日本人でも難しいだろうと思う単語や言い回しを平気で使う人もいます。この場合、勿論伝わりませんし、難しい言葉を使っていてカッコいいな〜と思う事は全く起きませんので、やめた方が良いです。
こういったことから、日本人同士のやりとりであっても、以下を気をつけるようになりました。
✅(TPOと相手との関係性をふまえた前提で)余分な作法は省く
✅伝えたいことは端的に、具体的に表現する
✅Yes、Noははっきり。箇条書きなどを多用する
✅無駄に難しい言葉は使わない
どれも当然のことなのですが、相手が日本人でも、メールの向こうには海外の方が居る(もしくは自分は海外のスタッフ)と思いこんでメール作成をしています。
まとめ:脳内海外スタッフによる添削のススメ
日本に住んでいる、日本人としか仕事をしない場合でも「脳内海外スタッフ」を頭の中に雇って、文章を添削してもらうことをお勧めします。
(普段やりとりをしない方は、英語でやりとりをする同僚に来ているメールを見せてもらったり、日常生活の中で英語メールで問い合わせをしてみたりすると感覚が掴めるかもしれません)
会社によっては、新人がメールを書いたときに先輩や上司が確認して添削をするケースもあるようですが、いつまでもお願いできない上に、(経験から来る視点は別として)新たな角度からの指摘を受けることはだんだん難しくなっていきますよね。
自分の中にバックグランドが海外のもう一人の自分をイメージして添削してもらうことで、余分が削ぎ落とされて伝わりやすい文章が出来るかもしれません。
お読みいただきありがとうございました。
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