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2020年6月の記事一覧
『三都メリー物語』vol.22
午後八時の南東の空に丸く大きな月は周りに雲ひとつなく、少し色付いて見えた。暗闇の一面かのように見える田んぼは水が張られ、車窓から明かりの漏れる電車がその田んぼに車体を写しながら進んでいく。
六月に入ったばかりだというのに、蒸し暑い。少しばかり五月蠅い蛙はたちはいつ寝るのだろうかとレイはふと思う。
仕事を終え、自宅のアパートの階段を上る時に見えた景色だ。途中、スーパーマーケットに寄って夕食の材
午後八時の南東の空に丸く大きな月は周りに雲ひとつなく、少し色付いて見えた。暗闇の一面かのように見える田んぼは水が張られ、車窓から明かりの漏れる電車がその田んぼに車体を写しながら進んでいく。
六月に入ったばかりだというのに、蒸し暑い。少しばかり五月蠅い蛙はたちはいつ寝るのだろうかとレイはふと思う。
仕事を終え、自宅のアパートの階段を上る時に見えた景色だ。途中、スーパーマーケットに寄って夕食の材