【罪の境目】
読みたい本が山のようにある。毎月吟味しまくって書籍を購入しているが、許されるものなら月に10〜20冊はほしい。歴史ある古い本も、アップデートされた知識が詰まった専門書も、推しの新作も、ずっと気になっていたエッセイも、愛読していた漫画のセットも……数え上げればキリがなく、読みたい本は果てしなく増えていく。
不思議なことに、本を読むと読みたい本が増える。小説であれ、エッセイであれ、多くの本の中には、ほかの書籍の存在が見え隠れする。それらに触れると、本の虫の欲求がうずうずと騒ぐ。推しの作家さんが「影響を受けた」と書いていれば「読みたい」と思うし、引用された一節に惹かれたら最後、もう抗えない。婦人公論で「言葉を食べて生きていく」と題したエッセイを連載しているが、まさにこのタイトル通り、日々誰かの言葉を食べて生きている。
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