動物の介護
こんにちは。春野ウメコです。
コロナ禍が長引く中、ペットを飼い始める人が増えているというニュースは、皆さんも度々目にしていることでしょう。
動物の医療も人間と同じように高度化しており、更にペットフードやサプリメントも良質なものが増え、加えて良好な飼育環境などもあり、犬猫の平均寿命は過去最長となっているようです。
これまで、ミニチュアダックスフンドやトイプードル、チワワなど時代によって人気犬種があり、同じような時期に飼い始められた犬たちは、同じような時期にシニア期を迎えています。
今回のコロナ禍ペットブームで飼われ始めた動物たちも、数年後から同じようにシニア期を迎えることになるでしょう。
私自身はというと、中学生の時にハムスターを飼育して以外、動物は飼ったことがない状態で動物病院に勤務を始めました。
そのためか、犬や猫と自宅で暮らすイメージが明確化されておらず、勤務を始めたばかりの頃は、動物病院にいる動物と飼い主さんにしか、想像が及びませんでした。
動物看護師の勤務が長くなるにつれ、動物と飼い主さんは動物病院を受診するよりも、はるかに長い時間を、自宅で一緒に過ごしていること。
その時間をより良いものにすることが、動物看護師の役割の一つであることを現場で学んでいきました。
そして、動物と飼い主さんの別れに携わったり、後日話を伺う機会も増えました。
その中で、形は違えど、理想と現実に悩みながら、動物の介護をする飼い主さんがとても多いことも体感していました。
食が細い中なんとか食べてくれるご飯を探したり、嫌がる動物に対して必死で薬を飲ませたり。痴呆で吠え続けたり、徘徊する動物に長時間注意を払ったり。
「明日も通院できますか?」という獣医師の問いに対して、「仕事が休めなくて、、」と返答する辛そうな顔の飼い主さんも、何度もお見かけしました。
私事になりますが、
診療対象が犬猫のみの動物病院で、動物看護師として勤務している中、私はフェレットを2匹飼育していました。
そのひとりが尿道閉塞していまい、通院処置と入院手術が必要になった際は、自身が勤務する動物病院と、フェレットを診てくれるかかりつけの動物病院を、1日2回、必死に往復していたこともありました。
動物病院に勤務していながらも、“ペットの通院のため”仕事を急遽休みたい、と言いづらかったですし、意を決して伝えたところで、許可を得られなかったこともありました。
出典は定かではありませんが、ペットの通院で仕事を休む時、職場に何と伝えるか、その理由についてのアンケートで、1位が「言いにくいから嘘つく」だったという記憶もあります。
2021年の7月頃から9月までは、通勤に約2時間かかる動物園に勤務しながら、その子の介護もしていました。
後肢の力が弱くて自由に歩き回れないため、排泄をするとそのまま糞尿にまみれ、食事と飲水にも介助が必要な状態。その子を家に残して自らは仕事に行く、この状況は非常に心苦しくありました。
苦労を比べる訳ではありませんが、もっともっと辛くて心苦しい思いをしている飼い主さん、沢山いらっしゃると思います。
「ごめんね、ごめんね」と申し訳なくて、悲しい気持ちになることもあるかもしれませんね。
でもね、あなたの愛はきちんと届いています。
介護の手が行き届かないことで悩むこともあるかもしれませんが、注がれた愛情は確かにここにあります。
そして、その愛情を受け取ってくれる、愛おしい存在がそこに居てくれます。
忙しい毎日だと見落としてしまいがちですが、その“幸せ”忘れないでくださいね。
偶然、この文章と出会ったご縁です。
動物を飼っていらっしゃる方は是非、ぎゅっと抱きしめて、「大好きだよ」と伝えてあげてください。
虹の橋を渡り、お空で見守ってくれている子がいる方は、心の中でぎゅっと抱きしめて「大好きだよ」と伝えてあげてください。
フェレットふたりめの介護をしながら生活している中で、動物の介護について書きたくなり、思うままに書いてみました。
私の文章で、心の重りが少しでも軽くなれば幸いです。
そして、“動物を飼う”ということは、“何が起きるか分からない”ということでもあります。楽しい思い出や病気など、全部含めてです。(動物だけでなく、人間も皆そうですが。)
もし、これからペットを迎え入れたいと考えている方が、この文章をお読みでしたら、それらを共にする責任と覚悟を、強く心に持ってくださいね。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。