【連載】月１鍼灸マニア〜#4鍼の効果が出やすい人出にくい人〜
こんにちは。
春野太陽です。
月1鍼灸マニア、連載4回目は
【鍼の効果が出やすい人出にくい人】です。
これは、あくまでわたしの治療中に
【私の身体についての話と他治療者の話】を
聞いて、それを参考にしたものです。
これから話す内容以外にも、
鍼灸の効果が出やすい出にくいの
法則や傾向があると思いますので
あくまで一例としてご覧ください。
さて、半年ほど鍼灸治療を続けてきたころ
体調の波がだいぶ落ち着いてきて
私は就職活動も視野に入れ始めたり
新しく劇団の活動を始めてみたり
ピアノを趣味で再開してみたりと
生きることに対して意欲的になっていました。
【生きることに意欲的】というのは、
【今までの過去もすべて受け入れた】
【その上で前に進みたい】
というような感情です。
ここらへんの感情の説明は難しいですが、
【今までの過去もすべて受け入れた】
は
【虐待されたからこそ今の私がある】
という意味では決して無いんですね。
虐待はされないに越したことはないので、
それを美化したりするようなニュアンスは全くないです。
【ただ、淡々と過去の変えられない事実からは目を逸らさないことにした】
という文章が、伝えるのには正解でしょう。
生きるのに意欲的になれる前の自分は、
『なんでこんな親の元に産まれたんだ。』
『勝手に産まされたうえに虐待されて理不尽すぎる。』
『産まれた意味って、生きる意味って、何。』
と過去を受け入れることに強い抵抗を示していたため、
それが悲壮感や自殺願望へと続く道にもなっていました。
それでも、カウンセリングや周りの友人の
フォロー・サポートにより
少しずつ前を向けるようになり
生活が穏やかになってきて
『死ねないなら、生きるしかないなら、
やりたいことをどんどんやろう』
と決めた。
そんな話を鍼灸師さんに雑談していました。
鍼灸師さんは
「まだ20代そこそこなのに、他の人が経験してないつらいこともたくさん経験してきて、
その上でちゃんとその過去も受け入れて、
『だったら次に何ができるだろう』っていろんな治療や活動を試してみていて。
その思考力と行動力は簡単にできるものじゃないよ！」
「春野さん、最近体調の波が落ち着いてて
生活が快適にになってきたって言ってたけれど、
それは身体の様子を見ても一目瞭然だよ。
初診の時はエネルギーの器が枯渇してたけど、
今はかなり満ち足りてきている。」
「さすが最近の春野さん調子が良いって言ってるだけあるね。少し弱ってるなぁって部分に鍼を刺したら、抜いた瞬間にふわっとほぐれてすぐに気の巡りが改善したよ。効果が早い！」
「やっぱり病院じゃわからない体の不調を訴えてここにくるだけあって、お客様は精神的な問題の方はほとんどなんだけど。
そのなかでもお年を召した方でそれまでは現役バリバリだったって方だと「なんでこんなに元気だった私が今頃精神病なんかになったんだ！」って事実を受け入れられてない方がいたりして。
そういう方は自分の状況とか自分の不調を受け入れきれてないからどんなに鍼を刺しても反応しないのよ。身体が意気地になってるの。
でも春野さんは若いうちから原因に気づいて親元を離れる決断をして自分の力で幸せになろうっていろいろ前向きに治療に取り組んでるでしょ。自分の現状を受け入れてるからこそ、ちゃんと鍼が身体に良い反応してるんだよ。」
面白いですよね。
どんなに鍼が便利な治療道具だとしても、
治療者本人が現実を受け入れていない状態だと
鍼もお手上げなんです。
でもこれは鍼に関わらず
術後の回復スピードとかも似たような話を聞きます。
『絶対に治してやりたいことがある！』
『娘の結婚式までに退院する！』
みたいな人は、医者も驚く異常な回復力で
退院する話とかあるある話じゃないでしょうか。
自分自身が現実を受け入れて、
その先の目標を見つけることができれば
身体はその意思の通りに反応していく。
せっかく医療費を払って治療を受けるのなら
その時間もお金も無駄にしたくないですよね。
『どうせもう治らないよな』
『自分が病気だなんて認めたくない！』
と思って治療を受けるより、
『絶対に治りたい！』
『事実は受け入れて、できることを尽くす！』
そう思って受けた方が、
治療の効果がよりでやすいってこと。
鍼の効果が出やすい人と出にくい人の違いはそこです。
そもそもつらい事実を受け入れるには
すごいしんどい思いをするのを私も経験しています。
だから安易に「前向きに！」なんて言えません。
適切なステップを踏んで、時間をかけて
治療を受けることに前向きになれる思考になれたら
自分の次に進むべき道が見えてくるのかなと。
焦らず、自分のペースで。
Everythings gonna be allright！
2023.07.11(Thu)
春野太陽