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光を浴びて

朝。

娘の幼稚園の登園バスのバス停までは自転車で5分ほどの道のり。
家を出て一つ目の角を曲がると、
昇り始めて間もないキラキラの朝日が
私と娘の進む道を照らしてくれる。

この朝日を浴びると、
あぁ、また一日が始まった、ありがとう、
と思う。

夏の日差しが疎ましい時も
冬の日差しが愛おしい時も
朝日の魔法は変わらず私たちに
「はじまりのスイッチ」を押してくれる。

眠そうな人
急ぐ人
笑いながら友達と歩く人
スマホと睨めっこしている人

色々な人が朝日を浴びながらそれぞれの場所へ
向かっていく。

娘と私はというと、
マスク越しにお互いよく聞こえない中
自転車で朝の冷たい風を切りながら
「マジカルバナナ」をしたり、
「ん」がついてもOKの何でもありの
しりとりをしたりして
バス停までの5分の道を行く。

私は知っている。
こういう時間こそ、子どもたちが大きくなったとき
一番恋しくなる時間なのだということを。

お金を払っても、
神様に願っても
決して戻ってこない時間だということを。

だから、面倒だな、と思う日も
「なんじゃそれ!」というようなやりとりも
全てが朝日とセットになって
私の思い出の箱に詰め込まれていく。

今日は帰り道、朝日を背に浴びながら
娘を見送って軽くなった自転車を漕いで、
そのまま氏神様へ月初のお参りに行った。

神社までの道は川沿いを通る。
水面も朝日を受けて輝いて、
小鷺が二羽、雲ひとつない青空の向こうへ
羽ばたいていた。

家の近所のお家の庭には
蝋梅が綺麗に咲きはじめている。

立春は目の前だ。

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