Something related to triangle 後記
本編は上記から飛べます。この後書きから読み始めた方は、よろしければ本編からお目通しくださいませ。
綺麗な光、と言われて連想するもの。その筆頭は星の光でしょうか。
中学の頃、天文学の本を見るのが好きでした。と言っても星雲の写真を見るために紐解いていた様なものでしたが、星の光がずっと昔のものであることが不思議で(何万光年離れた所から届く為に)、夜空を仰いではその光を探したものです。
夜、星ではなく夜景、人口の光に惹かれる様になったのは成人してからでした。自分を惹きつけるものが変わっていったのは何故なのだろう?
そんな埒も無い疑問が今回のショートストーリーのもうひとつのテーマ。
星が自然(宇宙)なら、夜景は人の営みが作るもの。星には到底適わなくとも、人の光もまた綺麗なものです。その下にあるだろう様々な人たちの日常もまた、ドラマチックではないけれど愛おしいもの。それが描けたとは言えない、稚拙な拙文でしたが。
人は人の中でしか生きられないから。厭わしいことが多く世に、数少ない綺麗な出来事を見つけて、それを守って、それを忘れずにいたい。そう思うのは、私がそれだけ人と関わってきた証なのかもしれません。
『人の絶えた楽園を希求する』という趣旨のセンテンスを最近読みました。ちょっとどきりとします。それは私にも心当たりのある事だから。それを自覚するからこそ、それを美化することはしたくないと思います。
余談ですが、今回の登場人物の名前は全て樹木の名前を入れてあります。
直海は本文内で苗字を挙げる機会がありませんでしたが、橘直海。そして、藤枝亜里沙と椚和弥です。人も又、自然の一部。最後にそんな由無し言を呟きつつ、拙い文が少しでもお付き合い頂いた貴重なお時間への感謝に繋がる事を願い、今夜の、そして明日の朝の光が、爽やかな輝きで降り注ぐ、そんな日が訪れることを祈って、お暇を。
以下は余談。もしかしたら、3人がそうなったかもしれない光景。ドリカム『SAYONARA』です。