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懐良親王という男。
まずは、こちらのインタビュー記事をご覧くださいませ。
水滸伝、三国志と中国の歴史小説、その大海を泳いできた北方。私はその巨大な波には乗り遅れておりますが(試読はいたしましたが完読しておりません💦)、北方南北朝と呼ばれる一連の作は長く愛読してきました。
その一つが『武王の門』(上下巻・新潮文庫、中公文庫にて再版)です。この物語の主人公である懐良親王は、南北朝時代、建武の新政の後九州の地にて征西大将軍として活躍した親王です。歴史の狭間に埋もれた人物のひとりとも言えます。
以下、『武王の門』解説(石井富士弥・文芸評論家)より引用します。
作者は、ここで、歴史小説という形式をかりて、人間性の、なによりも男の魂のあり方を、旧来の図式化されたこの分野のワクの中で放恣に復帰させ、回復させたかったのであろう。
その北方歴史小説には、手垢のつかない史上の“新人”の採択が必要だ。
歴史の「新人」。刮目すべきこの表現は、北方が描く懐良という男を表現するにふさわしい言葉であると感じます。
歴史、という語句に気後れし、遠ざける方も少なからずおられるかと思いますが、ここで記され語られ、紡ぎ出されるのはハードボイルドの旗手が生み出すエンターテインメント、上質の娯楽なのです。
物語は懐良(牧宮)をはじめとし、伊予の忽那水軍、肥後の菊池武光という様々な男達の相克が綴られていきます。中でも武光はもうひとりの主人公とも言える重要な存在です。闘う男、それを支える女たち。
そこにあるのは人間の生き方、そのものです。
本日、12月29日は大河ドラマの総集編が放映されます。その『光る君へ』は平安時代の物語でしたが、公家の姿が変容していく南北朝の息吹にひととき触れてみてはいかがでしょうか。
そこには極上の「男の道」が拓けているでしょう。
余談ですが。北方謙三のキレ、リズム感溢れる文体に、私は少なからず影響を受けております。あのように綴りたいと願いつつ、今も拙文を記しています。
それでは、本日はこれにてお暇を。ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
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