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私の推し画家Vol.8(藤田 嗣治)
オリパラも終わって一段落ということで、シリーズを再開したいと思います。ビッグネーム登場ですが、この方を日本人にするか、フランス人にするかどうか迷うところです。晩年にフランスにレオナール・フジタとして帰化なさっているので…でも単にこちらの都合なので、こだわりません。私の好きなフジタは下記の作品。
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「私の部屋、アコーディオンのある静物」1922 油彩、キャンヴァㇲ
130x97 パリ、ポンピドゥ・センター所蔵
この一年前にも似たような作品を描いてサロンに出しています。両方とも同じサイズでかなり大きな作品ですね。彼自身もこの二作には愛着があって、晩年まで手放さずに手元に置いていたそうです。
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「私の部屋、目覚まし時計のある静物」1921 油彩、キャンヴァス
130x97 パリ、ポンピドゥ・センター所蔵
身の回りの品が愛情を込めて描かれ、下地には既に裸婦像で評価された「乳白の下地」が使われています。フジタは器用な人で裁縫も得意だったし、
自作の額も手作り、その他家具やドールハウスなども作ったそうです。
アンティークマーケットなどにも足しげく通われていたようです。
そして、布にも興味を示してジュイ布というフランス更紗が裸婦を彩りました。。検索していて見つけましたがこんな展覧会があったんですね。行きたかった!
私事になりますが、実は私も布が大好きです。家を新築した時に照明には構わなくとも、カーテンには凝りました。裁縫はダメですが布好きが高じて箱に布を貼って楽しむカルトナージュという、手芸にハマった事もありました。そもそものきっかけは昔1980年代にロサンゼルスのフリマで買ったこの箱↓だいぶ古ぼけてはいますが西洋には一般にカルトナージュが根付いているようです。
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それが高じて↑となり、中身は↓エンゲージリング入れです。
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他にこんな物も作りました。
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脱線してしまって申し訳ありません。タイトル画像は友人が刺したハーダンガー刺繡を箱に仕立てたものです。自分の好きな大きさに仕立てられるところが手作りの強みですね。
後、フジタは本の装丁も手掛けています。
まめな方で絵手紙も沢山書いたらしいです。以前、目黒区美術館でフジタが書いた絵手紙を観た事がありますが
没後50年 藤田 嗣治 本のしごとと文字を装う絵の世界
2018.4.14~2018.6.10 目黒区美術館
貰った方はたまらないだろうと思える垂涎物で私が貰ったら、家宝として大切に保存したくなる(現に沢山残っている)程の念のいったものです。
フジタは1968年に亡くなって、まだ70年たたないので、著作権の問題で画像を入れるのをためらいました。悪しからず、よろしくお願いいたします。
日本ではうまくいかず、戦争画を描いて叩かれてフランスに逃れた生涯でしたが、素晴らしい作品の数々は残り、羨ましい人生ですね。