男と女(私の映画遍歴 No4)
気狂いピエロと時を同じくして当時印象に残った映画があります。
それはクロード・ルルーシュ監督の「男と女」、中学生にして初めてベッドシーンに遭遇したという点でも記念すべき映画でしたが、あまりにも美しい映像美の中ではリアルさはそれ程感じずに済みました。ご覧になられた方も多いと思うので、これ以上の言及は差し控えさせていただきますが、一つだけ思い出深いのは、主人公の女性の元夫でスタントマン役をやったピエール・バルーについてです。この映画の音楽もフランシス・レイと共に担当していますが、そのボサノバ風シャンソンに魅了されて挿入歌の入ったCD”VIVRE”を買って「生きる」とか「水の中の環」といった曲をよく聴いていました。
そのピエール・バルーが数年前偶然に日本で活動していることを知ったのです。日本人女性と再婚してお子さんもいることを(最初の結婚相手はこの映画の主演女優アヌーク・エーメ)知り早速HMVにCDを買いに走りました。
解説文によると何と新宿に住んでいて(与那国島にもいた事があるらしい)、コンサートも開いているとのこと、嬉しい驚きでした。でもつい日々の忙しさにかまけているうちにいつの間にか月日は過ぎ、2016年に82歳でお亡くなりになったと知った時には、ああ、一度でいいから東京でのコンサートに行ってお会いしたかった!
そして去年、主人公達のその後を描いた「男と女 人生最良の日々」を観に行ってきました。ルルーシュは1986年にも「男と女Ⅱ」を制作したそうですが、これは見逃しました。どちらにもバルーは出てきませんが、主演の二人は健在です。
でもジャン・ルイ・トランティニャンは見る影もなく老けたし、アヌーク・エーメはそれ程でもなかったけど、あの往年の美しさにはとてもかないませんでした。ストーリーも二番煎じと言われても仕方がない内容でしたね。
かく言う私も人の事は言えませんが・・・2回もその後の二人の映画を撮るなんて、余程人気があるんですね!3回目はさすがになし?でしょうねぇ
ということで、高校時代までの印象に残った映画を書き連ねてまいりました。
その後はビデオの普及によって、ツタヤ詣でが常習化し世の中の動きと連動するように映画館に足を運ばなくなってしまいました。その中では「ポンヌフの恋人」や「アメリ」など印象的なフランス映画との出会いがありました。古いけど「天井桟敷の人々」も大好きなフランス映画の一つです。
映画館通いが復活するのは、結婚して子育ても一段落した2000年頃からですが、それはまた今度書きます。此処まで読んでくださって、どうもありがとうございました。