![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61637883/rectangle_large_type_2_9136b9ecd016f59389e47ec6c57fe2d8.jpg?width=1200)
私の推し画家Vol.9(クロード・モネ)
何を今さらモネと思われるかもしれませんが、しつこいようですが卒論でマネとモネを取り上げた身として外すわけにはまいりません。
でも今回は視点を替えてまいりたいと思います。
マネがサロンに落選した時に、それではどんな絵が入選していたかというと
たとえばアレクサンドル・カバネルとかジャン=レオン・ジェロームのこんな絵↓
でも、これらもそれなりにいいんですよね!特にジャン=レオン・ジェロームには、オリエンタリスムが入っていてそれまでの歴史画とは違うし、動物画はライオンキングみたいだし…ただ技法が古典的なだけです。
三浦 篤先生によるとマネの「草上の昼食」が落選した1863年のサロンではカバネルの「ヴィーナスの誕生」が人気を博したそう
![アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61622807/picture_pc_61b94fe66f7b97c672d7d2df443c9a11.jpg?width=1200)
アレクサンドル・カバネル「ヴィーナスの誕生」1863年 オルセー美術館
![画像3](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61634002/picture_pc_161c0214c9b87b62943ec443232f3a48.jpg?width=1200)
エドアール・マネ「草上の昼食」1862~63年 オルセー美術館
これら二作の違いは歴然としています。裸婦を理想的な女神か現実の女性として描いたかの違いで、この作品に影響されてモネが描いたのが↓
![クロード・モネ「草上の昼食」(中央の断片)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61635569/picture_pc_6657881752d0e85f1de2792297b64a6c.jpg?width=1200)
クロード・モネ「草上の昼食」(断片)1865~66年 オルセー美術館
これは、サロン出品を目的として描かれた大作でしたが、未完成のまま切断されてしまっています。でも、幸いロシアのプーシキン美術館にある縮小版で全体像が分かります。タイトル画も同じ作品
![クロード・モネ「草上の昼食」(習作)](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61637467/picture_pc_a9f5b8e2c60eef893701adf707244941.jpg?width=1200)
クロード・モネ「草上の昼食」(習作)1865年 プーシキン美術館
こちらは、ますます技法が簡略化されてきて、戸外の陽光に満ちています。
この頃はまだサロンに出品もしていて印象派と呼ばれる前ですが、既にその
片鱗が見えてますよね。前二作と比べると段々と新しくなっているのが分かります。現代生活を描くことが新しいタイプの絵画のキーワード
![クロード・モネ「サン・ラザール駅」](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/61697881/picture_pc_1d6960ef62487304d91ec54571577c16.jpg?width=1200)
クロード・モネ「サン・ラザール駅:列車の到着」1877年 フォッグ美術館
そして、こうなるわけです。鉄道なんて、サロンの重鎮達は描きませんから。でも、私はジャン=レオン・ジェロームの絵もそれなりにスキですよ。別にマネやモネが古典派に反旗を翻そうと関係ありませんから。今回は押し画家が、もう一人増えてしまいました。