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推し芸術家シリーズ

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2021年6月の記事一覧

私の推し画家 vol.1(ジェームス・アンソール)

今回から、映画遍歴を絵画遍歴に変更して又語りたいと思いますので、どうぞよろしくお願い致します。 ところで表現主義の画家ジェームス・アンソールをご存知ですか?1860年、ベルギーのオステンドに生まれて、ムンクやクリムトと同時代に生きた画家です。実家が土産物店を営んでいた関係で、店で売られていた仮面をモチーフにした絵画を描いたことで知られています。私が好きな絵はこちら↓ 何と日本にあります。愛知県小牧市のメナード美術館が所蔵しているのです。「仮面たちに囲まれた自画像」1899年作

私の推し画家 Vol.2(葛 蛇玉)

美術展覧会が好きでよく観に出かけます。その中でも2006年の夏に東博で開かれた「プライスコレクション、若冲と江戸絵画」展は素晴らしかったです。2008年の同時期に開かれた「対決・巨匠たちの日本美術」展と共に心に残る展覧会でした。 そして、その中でもこの一点に釘付けになりました。屛風絵なのでタイトル画が左隻で右隻はこちら↓ 葛 蛇玉の 「雪中松に兎・梅に鴉図屛風」1774年です。展示は右隻と左隻が逆だったけど、今橋 理子先生によるとこちらが正解らしい。 どちらも、舞い散る

私の推し画家Vol.3(エミール・ノルデ)

最近、読んで面白かった本に作家の村田 喜代子(以下敬称略)の押し画家本 「偏愛ムラタ美術館」三部作があります。その二作目(発掘篇)にノルデが取り上げられています。以下引用、タイトル画↑「北フリースラントの夕暮」を彷彿とさせる文章です。北フリースラントは故郷のノルデ村に近くノルデが晩年に暮らした地です。 ノルデは福永 武彦の押し画家本「芸術の慰め」にも出てきます。 この本は私の愛読書ですが1970年刊行と古いので、もう古本屋か図書館でしか読むことができません。その中にこの投稿

私の推し画家 vol.4(岩佐 又兵衛)

辻 惟雄(つじ のぶお)の「奇想の系譜」を読むまでは、日本美術には疎かったです。若冲(じゃくちゅう)と聞いてもピンときませんでした。 2007年頃の事です。プライスコレクション展が2006年だから、その頃やっと関心を持ち始めました。 ちょうどその頃ネットサーフィンでtakさんのブログ「青い日記帳」に出会い(こちらは、今も現在進行形)そのご指南で京都に⁇年ぶりに行く羽目に。 若冲が晩年を過ごした石峯寺を見てから、相国寺承天閣美術館の若冲展で「動植綵絵30幅」を見てぶったまげ、