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映画回想録

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#映画感想文

ジョン・カサヴェテス 作品一挙上映

noteを始めて2年経ちました。相変らず試行錯誤を繰り返していますが、フォローしてくださる方も増えてやりがいも感じています。というよりはもはや生き甲斐となっています。そして当初予想していなかった嬉しい驚きは海外在住の方の記事を拝読できて交流できる事です。日本とは違う暮らしを興味深く読ませて、また見させて聴かせていただいています。 その中のお一人である森野しゑにさんの最近の記事に目が止まりました。 映画通を自負する私が全然知らない監督で、しかも だって⁉そこにタイミングよく

トリコロール三部作

毎日暑い日が続きますね☀️ 炎天下に出かけるだけで死にそうになります❗️ 去年は、上半期に観た映画ベスト3なんて記事をアップしていたのに今年は家庭の事情もあって、まだほとんど映画館に行けていません。 こんなんじゃ、ベスト3をあげるなんてとても無理と思っていたところ親切なnoterさんが、サブスクで見れる映画を紹介してくださいました。 1990年代の映画なんですが、出かけずに家で観られるのでお薦めです。 Yukitaka Sawamatsuさん、ありがとう❗️ クシシュトフ

今年観た上半期映画ベスト3(2022年)

今年はもう映画館に行く予定がないので、独断と偏見のベスト3を発表させていただきます。今年映画館で初めて公開された映画を対象とさせていただきます。 訃報 ジャン・リュック・ゴダールが亡くなりました。思えば私の映画遍歴の原点のような「気狂いピエロ」に出会わなければ、難解映画路線には進まなかったような気がします。今年有楽町のヒューマントラストシネマで久しぶりにアンコール上映を観ましたが、なんと途中で寝てしまった! もはや青春時代の多感だった自分ではない事を実感しました。ゴダール

PLAN75と安楽死について

「PLAN75」YouTubeにも感想が沢山上がっていますね。 凱旋舞台挨拶で早川千絵監督がおっしゃっているように余白を残している映画なので観た方によって、それぞれ違う感想が出ると思います。 以下ネタバレがありますので、まだ観てない方はスルーをお願いします。 私は最後のシーンで主人公のミチが安楽死から逃れて夕日を眺める場面にそれ程希望が感じられなかったというか、アパートを引き払って来ているわけだから、その晩から住む所に困るんでないの?とか余計な心配をしてしまいました。仕事もま

男と女(私の映画遍歴 No4)

気狂いピエロと時を同じくして当時印象に残った映画があります。 それはクロード・ルルーシュ監督の「男と女」、中学生にして初めてベッドシーンに遭遇したという点でも記念すべき映画でしたが、あまりにも美しい映像美の中ではリアルさはそれ程感じずに済みました。ご覧になられた方も多いと思うので、これ以上の言及は差し控えさせていただきますが、一つだけ思い出深いのは、主人公の女性の元夫でスタントマン役をやったピエール・バルーについてです。この映画の音楽もフランシス・レイと共に担当していますが、

気狂いピエロ(私の映画遍歴No.3)

いよいよ佳境に入ってきます。前々回でお話ししたように1960年代の映画館は「ニュー・シネマ・パラダイス」に描かれたイタリア、シチリア島の映画館と同じような活況を呈していました。ジュゼッペ・トルナトーレ監督のこの映画は、私のもっとも好きな映画の一つです。 この映画産業がテレビやビデオの普及によって、陰りを見せ始めたのは中学生の頃からでしょうか?中学三年のある時、ビルの一角にあった映画館の前に奇妙なポスターが貼ってありました。顔を赤いペンキで塗りたくった男の画像と「気狂いピエロ

トロイ・ドナヒューについて(私の映画遍歴 No2)

前回の続きですが、中学生時代に行く前にもう一つ書き残しておきたい事がありました。 先日、日本映画専門チャンネルで大林宣彦監督特集をやっていたのですが、その中の1983年の監督の初期作品「恋人よ、われに帰れ」を何気なく見ていたところ、何とトロイ・ドナヒューが出演していたのです!彼こそは小学生時代の私のヒーロー、当時観ていたアメリカのドラマ「サーフサイド6」の主人公サンディー、空想の王子様は全て彼の顔をしていました。当時の探偵ドラマの中では「サーフサイド6」よりも「サンセット7