まつり縫いcover

作家になれた実感を改めてもらえた話

今日、今月末で閉店するときわ書房千城台店さんにご挨拶に行ってきました。千城台は、昨年10月に出した『ぼくのまつり縫い』(偕成社)の舞台で、私の育った地元です。

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旅立ちというテーマの棚なんですが、『ぼくのまつり縫い』、ど真ん中に置いていただいてます。そしてこれとは別に、入口のところには大きなコーナーも健在。10月末から4ヶ月間も大展開してくださっています。

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販売冊数は110冊を超えたそう。地元の方にたくさん手に取ってもらえるきっかけを作っていただき、書店さんの持つパワーを感じました。

◆初めての大展開

作家デビューから2年とちょっと、『ぼくのまつり縫い』は9冊目の著書になりますが、書店さんで大展開していただくのは今回が初めてでした。
ミリオンセラー作家でもないのにこんな風に展開してもらえる機会なんてもう二度とないのでは、なんて気持ちでコーナーを眺めたのを覚えてます。

恐縮しきりで去年の11月に初めて訪問させていただいたのですが、書店員さんみんな、ニコニコと作品の感想を伝えてくださいました。こんなお客さんが買ってましたよ!というお話もたくさんしてくださりました。

一応商業デビューしたので、自分の本が書店に商品として並んでいる、ということは当然ですが前からわかっていました。発売日に書店に見にいったり、ファンレターも何通ももらったので、読んでもらえてるって実感はもちろんあります。
なんですが、現場の書店の声を聞いて、改めて買ってもらえてるって実感がわきました。お金を払って買ってもらえる=商品価値があると、現場の方にお墨付きをいただけた感覚なのかもしれません。

デビュー2年目、「プロになった」という実感を改めてもらえた気がします。

◆フリーペーパー

ときわ書房さんでは『ぼくのまつり縫い』の紹介フリーペーパーも置いてくださっていました。
私のコメントのほか、書店員さん、偕成社の販売部の方々からのコメントなどもあって、色んな人に読んでオススメしてもらえててスゴイ、なんて今さら思ったりしました。

そのペーパーをきっかけに近所の若葉図書館ともご縁ができ、児童書スペース内に紹介コーナーを作ってくださいました。今日もこちらにもご挨拶に。

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若葉図書館には、小~中学生時代に足繁く通っていました。学生時代に、たくさんの本に出会うきっかけになった場所です。職員の方にも地元に作家さんがいてうれしいとおっしゃっていただけて、これもまた外から認めていただけた気持ちになりました。

ちなみに、ときわ書房さんに置いてある大きなパネルは、若葉図書館で引き取ってくださるそう。地元の輪に『ぼくのまつり縫い』を混ぜてもらった気分です。

◆商業作家になること

あちこちでネタにしてますが、私は新人賞に108回送った末にデビューしました。執筆歴自体は中学時代からと長く、学生時代は作品を書いては友人に読んでもらってました。会社員の頃は、同期に頼んで読んでもらって感想をもらってたこともあります。お願いして読んでもらってたんですね。

なので、知らない不特定多数の人にお金を払って作品を読んでもらえてるっていう現在の状況、ふとした瞬間に「何コレすごくない?」とハッと我に返ることがよくあります。小説を仕事として考えられる毎日のありがたさと幸せを毎日噛みしめてます。

ということもあり、大げさかもしれないんですが、プロになったって実感を外部の方からいただける機会、本当にありがたいわけです。
作品をきっかけに知り合った方、知ってくださった方には、膨大な作品がある中から知ってくれてこちらこそありがとうと伝えたいです。

◆謝辞

自分の中でありがたみが高まったので色々書いてみましたが、まとまりなくなってきたのでこの辺で。

ラパークの改装に伴う閉店とのことで、ときわ書房さんの閉店は本当に寂しいのですが、いただいた出会いとご縁はとっても大事な宝物になりました。
長い間、本当にありがとうございました!

今日お話しした書店員さんに、「さらにビッグになってくださいね」と激励していただきました。今後も楽しくがんばって書いていきます。

最後に、『ぼくのまつり縫い』を一緒に作ってくださった偕成社の担当さん、編集部の方々、丁寧に販促してくださった販売部の方々にもお礼申し上げます。大事な一冊を世に送り出してくださってありがとうございました。

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