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自分の人生を生きる
「あんなところ、自分の時間を生きられないやつが行くところだ。」
私が大好きな「猫の恩返し」の冒頭、ぶたねこ(ごめん)のルナルド・ムーン(ムタさん)の台詞である。
猫の国の王子を助けた主人公のハルが、猫の事務所で猫の国について説明する際にムタさんが吐く。
公開当時小学生だった私は、猫がたくさんいる所でみんなで昼寝して、遊んで、自由気ままに暮らせるなんて、なんていいところなんだと感じた。
中学生の時の金曜ロードショーで、バロンに再会し、2次元の世界に落ちた時も、その後の人生の中でも、「自分の時間を生きられない」の意味を理解できずにいた。
それが、今回の休職の中で少し見えたような気がするので、覚えている間に記録しておく。
私は数年前からジャニーズにハマっている。
新しいグッズが出たら一通り買い揃え、CDが発売されたら全形態を買う。彼らが出演するテレビ番組は全て録画するし、ラジオも何度も聞く。ライブや舞台のために日本全国どこだっていくし、頑張っている彼らを応援することはとても楽しい。
しかし、ハマった頃から姉に「他人に依存すんな」と言われるようになった。私は単純に応援しているだけで、ホストや宗教にのめり込んでいるわけではない。合法的に他人を応援しているのに、なぜこんなふうに言われるのかがわからなかった。
昔の私のように、ジャニーズというだけでアレルギー反応を示す人が一定数いるので、その部類だろうと軽く流していた。
ある夜、私は無性に彼らについて色々と考えてしまっていた。
彼らの努力が実ってほしい。彼らを傷つけるようなことや、立ちはだかる壁など存在しないでほしい。彼らの思いが、曲解されることなくファンに伝わってほしい。様々な場面で活躍し、それについてニコニコと話してほしい。
でも、それに私は何もできない。
CDやグッズを買うことはできる。
でも、それは消費であり、彼らがこの道を諦めると言ったら、私は何もできない。
それは、彼らの人生だから。
彼らの人生を覗き見させてもらって、その人生を応援させてもらっているだけだから。
私の人生ではないから。
ここで、思った。
私の人生は?私は私の人生を応援できているのか?
私はファンという名を借りて、彼らの人生に自分の人生を全てのせてしまおうとしているのではないか?
自分がどうありたいとか、どうしていきたいとか、周りに何もなくなった時でも自分としての形を保てる芯はあるのか?
きっと、今の私だと彼らが急に活動を辞めたら、どう生きていっていいかわからなくなってしまう。
自分の人生を勝手に預けているから。
私は、私の時間をほったらかしにして、他人の時間を生きていたんだなと実感した。
ただ、分かったのはここまでで、じゃあどうしたら他人の時間じゃなく自分の時間を生きることになるのか、ちゃんと自分の時間を生きている人はどのように生活しているのかはまだわからない。
何十年と人間をやっているはずなのにな。
ずっと猫の国にいたんだな。