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別の視点

2021.8.19 Thu

最近、保育系の業界に就職を考えている同級生の相談に乗っている。

自分が見てきた業界とは明らかに異なるからアドバイスは出来なくとも、就活での悩みや相談を受けてあげることは出来るし、そういう周りの支えがないと就活は乗り切れないと思う。

実際に、自分が就活をしている時に、周りの人に支えてもらってすごく助かったし、精神的に救われたことが多かったので、次は自分が誰かを支える番だと思っていた。

話していてはじめて知ったのだが、保育系では、暗黙のルールとして、複数の内定を貰うことはご法度なのだという。つまり、自分が行きたいところの採用試験を受けている間は、他の場所の試験は受けることができないのだという。

自分ならどの施設で働きたいのか、それを考えることがすごく難しかった。

なぜ難しいと感じるのか。

それは、目指すべき自分のゴールが分かりにくいからだと思う。

自分の受けてきた業界であれば、昇格や昇進、起業して自分で仕事をするとか、ステップアップや上を目指すことを考えていたけど、保育系の業界では、そこが目的ではない。

もちろん、子供たちの成長に関わりたい、彼らの居場所を見つけて、これからの人生のお手伝いをしてあげたい。そう思うから、その業界に就職するのだと思う。それらの理由はとても素晴らしいと思う。

でも、そうするとどこで働くのか、自分がどう働くのかということを決めるのはものすごく難しいと思う。

他人の幸せや役に立ちたいと考えたり、子供が好きだと思うからその業界にいくわけであり、そういう他人思いの人は、自分で自分のことを自分のためだけに、複数の選択肢から一つに選ぶという決断が苦手なのではないだろうか。

それは、自分より他人を優先して考えてしまうから。

他人思いの気持ちが強いから。

実際に、今相談に乗っている同級生も他人思いで優しい子だと感じる。自分よりも他人や周りを優先するタイプの性格だと感じる。

そういう人が周りに利用されて損をする人生は送って欲しくない。

だからこそ、自分に当てはめて考えたりもしたけど、やっぱり自分は自分の成長を一番に考えてしまうから、他の考えを優先して考えるという作業はすごく難しかった。

でも、そうやって自分の知らなかった業界や世界について自分だったらどう考えるのか、ということを考えることが出来たので、普段の自分の考えが当たり前ではないし、業界や職種によって目的や考え方、決断の理由も異なるのだと改めて実感することができた。

相談に乗ってあげたつもりが、たいしたアドバイスは出来ず、自分の視野や考え方が広がり、結果的に自分にとって良い経験となった。

こんな風に、普段は考えない視点から物事を考えることは、自分の視野を広げるためにとても重要な経験だと思った。

そうやって、いろんな立場に立ってみて考えることで、物事の理解や、他の事柄に対する理解もでき、それぞれの違いを認め合う事が出来るのだと思う。

争いや揉め事は、相手の立場が分からなかったり、知らないことから始まると思う。

だからこそ自分は、少しでもいろんな経験をして、いろんな立場から物事を捉える習慣をつけるようにしたいし、その経験を増やすことで、さらに自分が成長出来るのではないかと信じている。

誰かにとってのパーフェクトは誰かに取っての不完全          違う場所からのぞいた景色はこんなにも素敵なもので満ちてる (Mr.Children 「君と重ねたモノローグ」)
一つにならなくていいよ 認め合う事が出来るなら      (Mr.Children 「掌」)



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