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農業からビジネスの始め方を考える

みなさま、おはようございます。

今年は梅雨らしい、という言葉が適切かは分かりませんが、雨の日が多いですね。天候に左右されるのが農業の難しいところでもあり、面白いところでもあります。

天気が悪ければ、悪いなりの管理が必要になる。

天気が良ければ、良いなりの管理が必要になる。

要は、その時々の状況に応じた臨機応変な対応が求められることになります。ということは中期的、短期的な計画はなくても良いのか、というとそうではなく、綿密な中長期的な計画の元に短期的な計画の微調整が必要ということだと思っています。これは、農業だけでなく、どんなビジネスをやるにしても同じですよね。取引先の動きが急に変化したり、競合相手が参入してきたり、災害などで状況が一変したり、と短期的に計画を変更しつつ、中長期的にどのような形に持っていくのかを微調整していく必要があります。

その短期的な微調整ができない、というのは農業においてはクリティカルな問題に発展します。環境的にその微調整を担ってくれる誰か(経営者または家族)がいれば話は別ですが、基本的に農業は自分が経営者兼作業者になる、つまり自分で全てを決断し、行動しなくてはいけません。

では、さらにその短期的な微調整をするにはどのような能力が必要になるのかを分解してみましょう。まずは、微調整をするために正常な状態(正しい道筋)を知っていなければいけません。簡単に言えば”栽培理論”ですね。もっと分解すると”植物生理”になってきますが、とりあえず、この”栽培理論”を持っていれば生理を詳しく知らなくてもとりあえずの道筋は立てられます。この私が理論と呼ぶモノは数値化された(立派に研究された)モノでなくても、農家の皆さんが経験上培ってきた我流でも良いと思っています。

さて、では正しい道筋(栽培理論または経験)と呼ばれるものを情報として持っていると仮定しましょう。つまり、走るべき道路を見つけたわけですね。ここを道なりに行けば成功が待っている。さて今度は、現在自分が本当に正しい道筋を歩いているのか、栽培理論に沿った道筋を歩んでいるのか、を途中で確認できますか?もしかしたら、正しい道を歩いていると思っているのはあなただけ、かもしれませんよね。そこに何が必要なのか。こと農業分野においては、

①これまでの天候情報、

②植物の生理、

③施肥や農薬・資材使用状況  という情報を持っていることが重要です。

①天候情報については、ほとんどの方が大まかな情報を持っているはずですが、少し分解してみましょう。必要になる天候情報は、この地方であれば毎年 6月末〜7月上旬までは雨が多い、とかの

”過去情報の積み上げ”と

”今シーズンの降水量や気温などの情報”。

大きく分けて、この2つが必要になります。要は過去と現在を比較することで作物の生育に関する傾向を検討したいわけです。そこでその傾向をみるためには②植物の生理をわかっていなければいけませんね。

②植物の生理を調べる、情報を得る時に役に立つ法則があります。それは、対象作物が”〇〇科”の作物なのか、を知っておくと情報を収集しやすいです。例えば、水稲は”イネ科”です。では、同じ”イネ科”の作物は何か知っていますか?麦、トウモロコシは”イネ科”です。イネ科作物の特徴としては、最終的にできる実の大きさや数によって、収量が決まります。また、実に必要な栄養を送り、不必要な栄養を削ることができるか、ということに力を注ぐ必要があります。まずは根張りをよくすることで肥料分の吸収効率を高める、次に作物体の消費効率をよくする、端的に言えばこの2点に尽きます。これを高めてあげることで、最終的な”実”に必要な栄養を高効率で送り込むことができ、収量が向上し、安定した高品質な収穫物を得ることができるのです。話が飛んでいきそうになりましたが、これはイネ科の実を収穫する作物であれば全て同じです。トマトやきゅうりなどの収穫期間が長い作物との違いは言わなくともはっきりしていますよね。大事なことは収穫するのがいつなのか、ということと、どのようなパターンで生育が進むのか、という2点です。そのパターンに合わせて施肥や罹患しやすい病気、虫害に合わせた対応が必要になります。

③施肥や農薬・資材使用状況の情報を持つことは、農業をしていく上で最も重要かもしれません。②植物の生理を知っている上で、このタイミングであればどんな肥料を使うか、どんな防除をするのか、一般的に施肥効果はどうか、防除価はどうなのか、そんなことを考えなくてはいけません。

難しいことを書いてしまいましたが、どんなビジネス、事業をするにも同じですよね。成功する理論や王道を知っていれば、仕組みがどうなっているか知らなくてもそれ通りの結果を再現することはできるはずです。しかし、そううまくはいかない。なぜか。それは自分の足元を確かめる情報がない、もしくはどんな情報が必要かを知らないから。ごく稀に、確認する情報を知らなくても、道がドンピシャであっている場合もあると思いますが参考にしてはいけません。それが”天才”というやつです。話を戻します。必要な情報を収集できたとしたらあとは簡単です。情報を元に自分が進んでいる方向を修正するだけですよね。これが私のいう短期的な計画の微調整になります。

つまり、歩き出さなければ微調整も何もできないので、成功することも絶対にないということです。

というわけで、まずは大まかな道筋が見えたら、まずは歩いてみたらいかがでしょうか?情報収集は歩きながらでもできますよ。

と、自分に言い聞かせています。挑戦する全ての皆さんを応援しております。では、また。

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