Ⅵ 錬金術 喜びの追求
「あなたは何をしているのですか?」
「わたしは価値を図っているのです。」
「価値?」
「ええ。みなさんが持ってくる、物やサービスを図っているんです。そして、金貨を渡しています。」
「あなたはサービスを受けて、測定しているのですか?」
「わたしはそのサービス内容を聞いたり、ものを見せてもらって、その価値を見出して、お金を渡しているのです。」
「あなたはそれが仕事ですか?」
「いいえ。生きがい。楽しみです。」
「どういうことですか?」
「みなさん、わたしに面白いサービスや物を見せてくれます。言うなれば、時代の最先端です。そうですね。娯楽でしょうか。みなさんが楽しむために、舞台にお金を払うように、面白い物やサービスを見たら、お金を払うんです。」
「実際に買ったわけではなく、見たり聞いたりしただけで、お金を払うんですか?」
「そうです。」
「それは損ではありませんか?」
「いいえ。とんでもない。わたしは得をするばかりですよ。」
「どういうことでしょうか?」
「わたしは、こうして時代の最先端のモノやサービスを見ることができます。すると、ほかの事業で悩んでる方にアドバイスできるんです。「どこどこの新製品はあなたの困りごとを解決してくれますよ」といった具合です。
するとですね、アドバイスした方からはお礼をいただくようになったんです。
そしたら、どんどんどんどんと、わたしに面白いサービスなどを教えてくれる方々が大挙するようになりました。
いやー、実に楽しいですよ。
わたしは、ただ面白いものを見たかっただけなのですが、いつのまにか、お金を生み出すようになっていました。
そして、何よりうれしいのが、面白いと思ったサービスなどが世間に広がっていくようになったことですね。
自分がいいと思ったものが、世間に広がっていくのを見るのは楽しいものです。
思い描いた未来を見ることができるんですから、こんなに楽しいことはありません。」
「すごい話ですね。」
「ええ、自分でも予想外の出来事です。しかし、楽しい、面白いという気持ちに従った結果でした。
もし、あなたが何か行動に移すときには、どうか、面白さや楽しさに重点を置いてみることをわたしはおすすめします。」
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