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椎葉村へ② 秘境でロゴづくり

熊本空港から阿蘇を眺めつつ椎葉村への2時間のドライブのあと到着したのは「椎葉村交流拠点施設Kateruie(かてりえ)」。
椎葉に居住しているしていないに関わらず利用できる交流拠点で、2020年にopenした。

到着とほぼ同時に、かてりえ主催の「ロゴづくりワークショップ」が始まり、はるちゃんと参加した。
ロゴを作るってどんなふうにするんだろう。
私のロゴ作れたらうれしいな。
はるちゃんのロゴも作れたら楽しいかもな。
そんな気楽な参加だった。

講師を担当するオノコボデザインのスタッフの方の説明を聞いてワークシートに私自身の情報を整理していこうとした。
はるちゃんが隣で
「ねぇーままー これどういう意味?」
えーとねぇ。。。、
多分。
こんな感じかな。

「うーーん。 まま。 むずかしい」
うん。
むずかしいね。

「あのーーー まま。 図書館で本読んできていい?」
えっ。
もういっちゃうの・・・?
もうちょっとやろうよ。ほら。
旅先で はるかですってカード出せたらうれしいじゃん。

「わかった。 じゃ描いてみるね」
うんうん。

「まま。  もう。いい?」

。。。。。。
うんうん。
いいよ。
本読んどいで。
「ありがと。 じゃぁ行ってきまーす」

椎葉村図書館「ぶん文Bun」は、本が好きな人にとっても苦手だなと思う人にとっても、思わず本の世界に入り込んでしまうさまざまな工夫がしてある。
本好きなはるちゃんにとっては天国みたいなところ。
好きなキーワードを入り口に興味が広がっていく様を、本を通して図書館が表現している感じがする。ライブしてるみたいに感じる図書館。

椎葉村図書館「ぶん文Bun」テーマごとに絵本や漫画から専門書まで混配

はるちゃんがお楽しみのところ、私は私にだけ向いていいから捗りそうなはずなのに、思考がパタリと止まって手も動かないまま時間だけ過ぎていた。
自分のこと整理するのがヘタ。
分類するなら私はどんな感じだろうと似たものを探そうとして、色々なデザインの本を眺めたり。
好きなこと、好きなものをいたずら書きのように紙におろして、自分のイメージを絞ろうとしていた。

今日仕上げるのはちょっと無理かもなぁ。
ロゴにおとすって、カバンの中を一度出してその中からひと握りの私を取り出すみたいに難しかった。
ひと握りからもれちゃう私もいる。
もれていい私。 もらしてはいけない私。
わからなくなってしまった。

おひさまみたいなたんぽぽみたいな私 音を奏でながら あなたに会いにいく私 

わからないことがあったら質問してくださいと言われても何を質問していいかわからず、困ったなぁと下を向いて。
手を動かしてるふりをしてた。

そしたらスタッフの人が、少し決まってきましたか?と声をかけてくれたので
自分の整理ができないからデザインにまで行けない感じなんですと答えて、手元の絵の説明をしたら、なるほどなるほどと聞いてくれたあと。
一緒にキーワードの整理をしてくれた。
「うた(音符)」「おひさま=たんぽぽ」「旅(足あと)〜綿毛(自由に飛んで種を運ぶ)」

一緒に絵に描きながら、これをくるりと逆さに置き直したら
音符はたんぽぽに見えますね。
足跡は綿毛に見えますね。
音符の側の部分を少しずらすと 照美さんのイニシャルの「T」に見えるかも。

そして、完成しないまま時間になった。


一握りから漏れちゃた私は、線の隅っこの方とか曲がり具合とかに染み込ませてっと〜と、だんだん楽しくなってきた。
シンプルにしていく時に、なんだか切り捨てていくような気さえして、力技に思えた瞬間もあったけれど、
一つの線に込める思いや願いが愛おしい作業なんだとわかった。

日本の三大秘境椎葉村で、まず最初に私がしたことは、私のロゴ作り。
こんな旅の第一歩。
ワークショップ内では完成できず、旅の最中も頭の隅っこに一緒に置きながら時間を過ごした。

そして。
明石に帰ってきてから
できました。
今の私。

水島照美です

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