読書記録23📚「殺し屋、やってます。」石持浅海
<あらすじ>
安心・安全のシステムで、殺し屋、やってます。
コンサルティング会社を営む男、富澤允。
彼には裏の仕事があった。
650万円の料金で人殺しを請け負う「殺し屋」だ。
依頼を受けたら引き受けられるかどうかを3日で判断。
引き受けた場合、原則2週間以内に実行する。
ビジネスライクに「仕事」をこなす富澤だが、
標的が奇妙な行動が、どうにも気になる。
なぜこの女性は、深夜に公園で水筒の中身を捨てるのか?
独身のはずの男性は、なぜ紙おむつを買って帰るのか?
任務遂行に支障はないが、その謎を放ってはおけない。
殺し屋が解く日常の謎シリーズ、開幕です。
<レビュー>
⭐️⭐️⭐️⭐️
本業は中小企業向けの個人経営コンサルタント、副業は殺し屋の富澤という男の話。
殺しの依頼が入ってから実際にターゲットを殺すまでの1話完結の物語が6話くらい?ありました。
依頼人→連絡係1→連絡係2→殺し屋(富澤)という構図になっていて、連絡係1は2にターゲットの情報だけ伝えて、依頼人の具体的な特徴等は伝えない。だから依頼人が殺してほしい理由なんかは富澤は知る由もなく、逆に依頼人は殺し屋が誰なのかもわからない。
余計な事情を知らない方が、殺しの際にターゲットに同情してしまうことや、依頼人と殺し屋間でのトラブルも防げるから…云々という、細部までこだわり抜かれた設定が面白いと感じた。
どのエピソードも、殺害するためにターゲットを数日間監視している間に、そのターゲットの謎な行動がどうしても気になって推理せずにはいられないというストーリー展開。
富澤なりの推測が記されてありますが、その推理がちょっと弱いとゆうか、んーちょっと無理やりすぎん?ってなる部分が気になり、⭐️4つ。
でも全体的には面白い話ばかりですぐ読み終わっちゃった。本業は経営コンサルタントということもあり、殺しという本業とは全く別業種の話もコンサルらしくビジネスライクに話す様子がユニークやなって。あと、話のオチの付け方がいつも、俺はあくまで殺し屋として行動しているだけだけど何か?というライトな態度で、読んでて癖になった。
続編もあるみたいなので近々読む予定。
全エピソード語り手は富澤なんですが、1話だけ連絡係1(伊勢殿)が語り手になっている「同伴者」というエピソードがお気に入りやった。最後のブラックなオチが、お〜終わり方いいね〜って思った。
めっちゃドラマ化しそうやわこの本。
最後に、文中で響いた言葉メモ📝
「それでも人間はときとして、生きているだけで他人に明確かつ具体的な不利益をもたらすことがあるのだ。本人に責任がなくても、本人に原因があって。それが人間社会というものなのだろう。」
これが人間社会ですね〜🤔
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