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塩・粉・水だけで作るシンプルなパンを目指すことになった、山ごもり会議
数日間、山にこもっていました。旦那と会議です。
ライフラインが何もない場所にいるとシンプルに必要なものだけが心の奥に残ります。
昔は複雑なライフスタイルと比較されたシンプルな生活の意味があまりよくわかっていませんでした。
「何をもって複雑というのだろうか」
19歳の時に選択肢が多すぎる時代と読んだ私ですが、あれからますます時代は複雑化しているように思います。
もちろん、見えるようになっていいこともたくさんあるけれど、知らなくてよかったこともたくさんあるということです。
それは閉鎖的になることを意味するのとは、ちょっと違います。
誰と比較することもない自分の人生を生きるために必要なものは、他人が作り上げた価値観に依存することなく、自分の中に今ある価値観がどこから来たのか遡って深める作業を繰り返して自分で生み出したいし、一つ一つを自分の中で確かめながら生きていくことがどれだけ大切な営みであるか、ということです。
この数日間、自然の中に身を投じ、シンプルライフを満喫している時の自分がいかに生き生きしているかに驚きました。
基本的に知らないことを知る、ということに興味がわくし、それでいて答えの見つからないものが好きな私です。例えばワイルドライフ・野生動物なんかは最高。彼らの習性はわかったとしても何を考えているかなんて一生かけて思案したところで知る由もないわけです。
一生かけて見つめていきたいものは、そういう、私を飽きさせないものであると気づきました。
前置きが長くなりましたが、パンもその一つだということです。
実は食もいろいろな観点が混ざり合って複雑化しているこのご時世、私たちはここでもシンプルにいくことにします。
つまりイーストを入れて制作するパンは基本的に私たちの求めるパンではないということ。
塩・粉・水のみで作るパンを作りたいのです。
バラエティがどこまで膨らませることになるかはわかりませんが、ごちゃごちゃしない、本来の自然発酵に任せたパンを作ります。
それが一番おもしろいし、一番対話が必要だし、一番難しいんです。そして、そこにこだわろうということになりました。
塩・粉・水のみで作るパン。
小麦も作れるようになるという想定も現実化できるように二人で話し合いました。
欲しいライフスタイル、確立したいライフスタイルが少しずつ明確になってきました。旦那は来年の年始に今働いているパン屋を辞めます。
数えてみると彼がパンを焼く日数は残り150日。つまり150回練習することができるということです。その中で我々の作りたいパンを実験させてもらう準備が整ったので、これからパン屋で練習してもらいます。
ふぅー
山ごもり、今回はここまで。
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