285.人々は「チームをつくる」ことに心惹かれているのではないだろうか
世の中、いろんな物語があります。
僕は中でもアニメ、漫画、ゲームが好きなので、そういった物語に没頭することが多々あります。
つい先日、大人気野球漫画の『ダイヤのA actⅡ』が完結しましたね。
野球を長年取り組んできた者として、万感の想いがあります。
最近注目している漫画はいくつかありますが、主立てて以下の数作品です。
どれも常識人は出てこなくて、世の中の「当たり前」に楔を打ち込むような物語です。
サッカーの常識の真っ向から逆を行く理論が展開される『フットボールネーション』。
『スタンドUPスタート』は以前自分の記事にも題材として取り上げました。
『龍と苺』は天才的な才能を驚異のスピードで開花させていく、努力の天才であり天性の勝負師である女の子の物語。
これも以前記事に書きました。
『よふかしのうた』は今はTVアニメ化もされていますが、それ以前に同作者の『だがしかし』から好きで、『よふかしのうた』は連載当初から追いかけている漫画の一つです。
『満州アヘンスクワッド』は、昭和初期の満州で巻き起こる「アヘン」を巡る人々のサスペンス漫画。
先の読めない展開と容赦ない描写で、恐ろしくもページをめくる手が止まらない物語となっています。
こうした常識をぶち破っていく人たちの物語は好きなのですが、以上の作品それぞれに通ずるもう一つの共通点に最近気づきました。
どの主人公も「チームをつくっている」のです。
仲間が増える物語は無数にある
どれもチームができている物語だ、と思いましたが、そもそも登場人物が一人で、そのまま終わる物語の方が少ないかもしれません。
多くの方がご存知の『ワンピース』も、主人公のルフィは仲間づくりの旅に出ていますし、他にも挙げるとキリがありません。
最初は一人ぼっちのところからの始まりでも、たくさんの人と出会い、起こる出来事を通して志を同じくしている。
そんな流れに人は感動しているのではないかと思うのです。
最近僕の中でアツい『満州アヘンスクワッド』では、「仲間」は家族でもあり商売仲間でもあり、情に厚い人間関係が描かれています。
そうした濃い人間関係に、人々は惹かれているのかもしれません。
本当は、そういった熱量の高い人間関係に皆憧れているのではないだろうか、そんな思いもよぎります。
日常生活で仲間が増えることはあまりない
普通に生活をしていて、急に仲間と呼べる人が増えたという経験をすることはあまりないでしょう。
友達は増えるかもしれませんが、仲間が増えた、チームが結成された、ということは日常でそう起こるものではありません。
しかし、そういった物語に多くの人が心を動かされている。
僕は、心のどこかではチームと呼べるコミュニティを、仲間と呼べる関係を、どこかで欲しているのではないかと思っています。
それは単に社会的な動物だから、という理由だけでなく、単純に人生をより豊かに彩ろうと思ったら、より豊かに生きていきたいと望むのなら、誰かと濃い関係を結んでいくことは有益なことだと感じていると思うのです。
そういった願望を投影しているから、こうした物語に心打たれるのではないでしょうか。
常識をぶち壊したい、打ち破りたい、本当はこうしたい、こういう思いを心の底から叫びたい……そうした人間の欲望が、物語に触れることで昇華されているように思います。
僕の創る小説や物語は、そうした人の想いを掻き立てるものでありたい。
僕が生きる人生は、そうした人と共に力を合わせて生きるものでありたい。
この生き方だと、どうそれを体現できるでしょうか。
僕の理想と共に生きる人を、日々の出会いから見つけ出していきます。
チームをつくる、仲間を増やす、そうした心惹かれる架空の物語と同じような現象を、現実でも起こしていきます。
だから、出会いは面白い。