169.小説とか、漫画とか、映画とか、アニメとか、世の中には物語が多すぎる
大きな本屋に行くと、いつも感じることがあります。
世の中これだけの知見があり、それを記した人がいて、世界が広がっている。
それなのに、今日来た自分はその多くの本棚のほんの一角にある、ほんの一握りの書物しか知ることができない。
このすべてを知るには、人生が短すぎる。
よくそう思っていました。
世の中には書籍だけで1億2986万4880冊が存在しているといいます。
しかも2010年なので10年以上前の記録です。
参考:「「世界の全書籍の数」:Googleはどう数えたのか」
そもそも本だけでも、すべてを網羅することは不可能に近いですが、それでも人は面白い作品、好きな作品を求めて本を読んだり映画を観たりします。
本は小説だけでなく、ビジネス本や写真集などありますが、僕は物語に生きる人間なので基本的に物語がある作品ばかりが目に付きます。
ただ物語なんて言い始めると、映画、漫画、アニメなど様々なメディアによる物語も含まれますよね。
まさに途方も無い数。
どうしてこれほど物語が途切れることもなく世に放たれて、人々はまるで発掘するように探し出し、お気に入りを増やしていく。
人は物語がないと生きられないのでしょうか?
そんなことはないですよね。
ただ、小説は売れ続け、アニメは盛り上がり、映画は公開され続けています。
自分とは違う人生を。
全く新しい世界を。
見たこともない景色や、聞いたこともない音を。
そして、感じたことのない想いを。
物語を通して、人々はそれらを求めています。
疑似体験、という言葉が最も適切でしょうか。
人は一人では生きられない、誰か他者と共に生きる社会的動物なので、誰かの物語と必ず触れざるを得ませんし、誰かと物語を紡がざるを得ません。
誰かの人生の一部を、物語というツールを通して感じたいという衝動は、そういった誰かの物語と共に生きるというある意味本能的な生き方の延長かもしれません。
大昔には小説も映画もありませんでした。
と思っていましたが、4万年以上前に物語が存在していたかもしれないという情報がありました。
BBC NEWS「4万4000年前の壁画、世界最古の物語か インドネシアで発見」
物語は娯楽、だけで片付けるには少し歴史が深すぎるかもしれませんね。
ただ物語を好む犬はいませんし、映画を観て感動する猫はいません。
人間の何が違うから、人間だけ物語を欲してしまうのでしょう。
きっと何かあるのでしょうね。
飽きられもせず何億もの物語が生み出されているのがその証拠、ということにして。
僕は表現者であり、創作者であり、現場に生きる人間なので、研究者のような結論は特にないけれど。
久々に物語に触れたので、ふと書き記してみました。
たまにはこういった、脳内そのまま文字にするみたいな記事もあり。
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