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492.ジャンルの壁を越える本を書きたい

自分の本が本屋に並ぶ。

そんな未来を初めて思い描いたのが20歳の頃。

それ以来、僕の夢は「本を出すこと」。
12年経った今も、それは揺るぎない。

幸い、電子書籍の出版は叶った。
本屋に並べたいという思いが、より一層強くなった。

小説を書きたい。

最初はそう思って、ケータイ小説に手を出した。
その頃に初めて物語を紡ぎ始めてから数えると、今はもう18年目になる。

今回は、久々に僕の小説についても触れながら、僕のこれから出したい本について書き記そうと思う。


電子書籍化したところで現実は変わらない

幸運なことに、2020年10月7日に僕の小説が電子書籍化した。

お声がけいただいて実現し、やはり嬉しさはあった。
一つの夢が叶ったような気分だった。

ただ、同時に圧倒的な力不足を感じた。

創作物は創ることも去ることながら、「届けること」が非常に困難なのだ。

世の中、日の目を見ない傑作はあちこちに転がっているかもしれない。
インターネットがどれほど発達したとしても、結局は届くかどうかは運任せ、みたいな要素がゼロになることはない。
というより運ゲー要素は思っている以上に本当に大きい。

事実、電子書籍化したところで僕の生活も地位も何も変わらなかった。

友達に「電子書籍出してます」「小説家といえば小説家です」と言えるぐらいで、そんな夢に見たほどハッピーな現実がいきなりやってくるみたいなことはなかった。

無情なものだが、そういうものなのだ。

僕は出版する本を通して、紡ぐ物語を通して、どうなりたいのだろうか。

そう考える機会が幾度となく訪れた。

物語は人の心を動かす

小説のようにたくさんの登場人物に感情移入し、世界観に埋没し、いくつもの人生を体験したい。
学生の頃、小説しか読み漁っていなかった僕は物語に何度も勇気づけられ、素敵な感性を身につけてきた。

一方で、社会人になってから読み出したビジネス書、自己啓発書のように、人に直接的な影響を与えるような本もとても魅力的に感じた。

結局、本を通して、物語を通して影響を与える自分になりたいのだということに気が付いたのが社会人3年目の25歳。

それから僕は、いろんな経験のある人間の方が面白い小説を書けるはずだという確信の元、今となってはいろんな仕事に携わり、多くの人と関わり、仲間と年収と肩書きが毎年増えるような生き方を実践している。

また、いい小説を書くには恋愛をした方がいい、と学生の頃に勉強したことがある。

要はまとめると、むき身の人間関係を通して、人の心に直接触れるようなコミュニケーションの冒険を通して、人を知り、その背景にある物語を感じ取り、共に新たな物語を創り上げていく。
その一連の流れがかけがえのない経験として、僕の人生に残っていく。

自分で生み出す経営者としての仕事や、想いを伝え合うことに挑戦する自由恋愛が、人生の経験の肝であることもなんとなく感じ取ってきた。

結局人は物語に心動かされるのだ。

起業も、恋愛も、仲間と切磋琢磨することも、挫折も後悔も、失敗も成功も、すべて物語である。

その現実の物語から学んだことを、自分が書く本には思う存分表現したい。

人の心を動かし、行動を促し、変化を示し、大切な人に想いが届くような、そんな本が書きたい。

果たして、それは感情を揺さぶる小説なのだろうか。
それとも現実を変えていくような働き方に関するビジネス書だろうか。
人生をより豊かに生きていくための考え方を綴った自己啓発書なのだろうか。

僕はそのジャンルそのものに切り込みたいと思っている。

ジャンルの壁を越えた本を生み出す

学生の頃は、前述したが小説しか読まなかった。
自己啓発書は作者の考えの押し付けだと思っていたし、ビジネス書は一ミリも興味がなかったからだ。

しかし読んでみるとそんなことはなく、先人の知恵を2,000円以下で手に入れられるなんてとんでもなくコスパのいい自己投資の一種だと感じている。

実用的なビジネス書しか意味ないから他には手を出さない、小説は面白くない、自己啓発は興味がない、など様々なパターンの人がいるだろう。

その全員をカバーできるような本を書きたい。
本屋の店員が小説コーナーに置けばいいのか、ビジネス書コーナーに置けばいいのか、困ってしまうようなジャンルの本を創りたい。

もしかしたら、そういう本もすでにあるかもしれない。
ただ、そういうジャンルは聞かない。
そんなコーナーがある本屋を、都内の主要な本屋のほとんどを巡った僕は一度も見たことがない。
一般的でない証拠である。

ジャンルの壁を超える本を創りたい。

リーチが広いと影響を受ける人が増えるだろうという単純な思いもある。
そんなうまくいかないことぐらいはわかっているが、ないものを創りたいというクリエイター的なこだわりも強いと思う。

また、生き方働き方に言及するような直接的な影響を与えたいけれど、自分があくまで「小説としての文章」が一番得意だという現実もある。

ただ一つ確実に言えるのは、やはり人は物語に心を動かされるということだ。

だから僕は小説をベースにする。
小説には再現性がないから、再現性のあるビジネスや心から信頼できる仲間で自分の生き方を固めていく。

人生経験が最大化する担保を自分の働き方に委ねて、その経験から得られた学び、気づき、感情の表現方法を文章に集中させる。

そして、少しでも変化しようと、新しくチャレンジしようと、一歩踏み出そうと、そんな人が一人でも多く生まれれば、作家冥利に尽きる。

人生の可能性や選択肢はまだまだ広がっているんだということを、少しでも多くの人に知ってほしい。

という本を書く。

今まではメッセージ性は多少あれど小説色が強かった。
この『小夏のブルペン』以降に完結した長編小説も然り。
『真夏のコスモス』皐月ハル

これからは、そうしたジャンルの壁を取っ払うような挑戦をしていくことになる。

僕はそんな本を出したい。

人生経験をすべてぶち込んだような、鮮烈な物語を紡ぎたい。

目標は2028年。
実現に向けて、今日もかけがえのない経験を積む。

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