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63.【東京広島物語⑤】夢が叶っても、目標を成し遂げても、夢の先はまだまだ続く
僕の夢は、大学二年生の頃に生まれました。
小説を世に出すこと。
つまり出版です。
どうせなら紙の本で、自分の本が本屋さんに並ぶ光景を見るのが夢です。
時間をどうやって捻出していこう……と考えていた二年目の僕。
仕事は少しずつ増えてきて、たくさん覚えてきて、時間がどんどんかかるようになってきました。
土日の時間を使って、書こうとしてみました。
平日の仕事終わりの時間を使って、書こうとしてみました。
進んだと思いますか?
ええ、全然進みませんでしたとも。
結局、寝たり、ゲームしたり、アニメ観たり、本屋へ出かけたり。
平日の仕事でできなかったことをやろう、と思って、やりたいことをしない日々を過ごしていました。
そんなときに、前回の記事の朝活です。
このままじゃ何も変わらんなと思っていました。
多分、仕事はこのまま忙しくなり続けて、時間を作り出そうとすればするほど、年次が上がれば上がるほど、仕事がみるみるやってきて雁字搦めの日々になりそうでした。
「本当はどうなりたい?」という、答えがないようにも思える問答を、たくさん考え込んでいました。
なーんにも制限がなく、何でもいいよと言われたら、どんな生活がしたいだろう?
楽して毎日過ごしたいというわけではない。
どうせなら頑張りたい。
自由に、例えば取材と称して全国で働く友達に会いに行きたい。
いろんな仕事を知りたい。
いろんな景色を見たい。
いろんな人と触れ合いたい。
格好いい人間になりたいし、いろんなことをやってみたい。
”最大限”という言葉が出てきました。
人生を最大化させたい。
すべての指標で。
ってことなのかなぁ、と考えるだけでなく書き出してみて思いました。
そうか、と。
本出したら死ぬわけじゃないんだ、と。
当たり前のことに、当たり前のように気が付きました。
本を出す人生になったとしても、その先は生き続ける。
そういう状態で本を出しているのか、そのときに誰が自分の周りにいるのか。
自分が本を出したその先の人生まで、すごく大事です。
例え夢が叶っても、目標を成し遂げても、夢の先はまだまだ続くのです。
そりゃそうだ。
そう思うと、今の生き方から脱していったほうがいいのかもしれない、そんなことを考えるようになりました。
どう変えていけばいいんだろう。
そのときに、朝活をしていた先輩にこう言われました。
「土日の時間の使い方を変えてきたよ」
ポイントは、優先順位、だというのです。
未来が少しでも良くなるように、今時間を使って学んでいるよ、というお話を聞きました。
それは……うーん。
そのときの思いを思い返すと、端的に。
「断る理由がない」でした。(笑)
良くなる可能性が少しでもあるなら、どうせ寝るかゲームするかなので、何かやってみてもいいんじゃないか、なんて。
そう思った僕は、時間の使い方を変える、というチャレンジをしてみることにしました。