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プロローグ3-12(ソック、置き去りにされる!)-サイレント・ネオ-boy meets girl-
ナウマン一行はキングダムとリムリの境から北西にまっすぐのびるルート111に向かった。
この道路は月歌中央とララを結ぶ唯一の車道だった。
道路の途中には、コクボ、チュウオウカンゴク、ヤドリという3つの街があった。
月歌中央からララは、車でゆっくりいくと3泊4日、早ければ1泊2日でいくことができた。
ナウマンらは強行軍で、1泊2日でララに到着するつもりである。
砂漠を横切る道路をスピードを上げてとばしている。
運転するナウマンが横をちらりと見ると、不機嫌極まりない彼女のリサがふくれっ面をして窓の外ばかりみている。
もちろん、一言も話さそうとしない。
ルームミラーを見ると、ソックがどっかりと座り、車中のラジオから流れるポップスに合わせて、気持ちよさそうに鼻歌を歌っている。
その状況にナウマンは肩を落として、深いため息をつくのだった。
しばらく大人しかったソックだったが、左右にサボテンが目立ち始め、本格的に砂漠地帯に突入すると、再びテンションをあげて饒舌になった。
誰も聞いていないのに、自らの武勇伝、ナウマンをいかに面倒を見ているか、ガイドブックでつい最近見たララの浅い知識、自らの将来像を語って聞かせた。
さらには、
「いやー、本当に君たちは美男美女を絵にかいたようなカップルだね。私もそんな君たちと一緒に同行できて、こんなにうれしいことはない。
うーん、それにしても、クーラーの効いた車の中で飲むアイスコーヒーは最高だねえ!」
と同じことを繰り返す始末である。
「ところで、リサさん、クーラーききすぎて寒くないかい?」
ソックはそういうと、短いジーンズデニムパンツからのぞくリサの素足をサングラスごしに、まじまじと見つめた。
リサはそのやらしい視線に気づくと、脇に置いていたカバンをひざの上にのせる。
「しかし、あれだなあ、ララでは鳥料理が有名らしいねえ、楽しみだねえ!」
ソックの言葉を聞くと、ナウマンはララまでついてくる気かと、思わずぞっとしてぶるっと体を震わせた。
それからも、最初の道路沿いの街であるコクボにつくまでの間、ソックは一人で話し続けたのだった。
つづく(プロローグ3は残り2話)※調子に乗るソックの結末はいかに!?
→プロローグ:3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 3-6 3-7
3-8 3-9 3-10 3-11
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