何気ない誘惑
あの頃は毎日海へ出かけていた。何かにとりつかれているように。手は繋いでいたけど見失っていた。未来を、行き先を、これからを。理由があると思っていたけれど、そんなものはなかった。あのまま二人手をつないだまま海に入っても良かったんだ。わたしが先に進んだ。あの人は呼び戻した。
今は憑き物が落ちたようにここにいるけど、そんな時は何度でも訪れる。
きっとこれからも。
2021.12.12
写真はお借りしました。
動画は自分で撮ったもの。
※フィクションです。あのときの出来事に、物語をつけてみた。